記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/10/17 記事改定日: 2018/9/10
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
動脈硬化は、脳梗塞や心筋梗塞など、命にかかわる重大な病気につながる恐れがあります。そんな怖い動脈硬化を、セルフケアで予防できることをご存知でしょうか。
この記事では、動脈硬化のすぐに始められる動脈硬化の予防方法を紹介しています。
体重が気になる、血圧が高めで将来が不安という人はぜひチェックしてみてください。
動脈硬化とは、簡単に言うと動脈が硬くなってしまう状態のことです。動脈は心臓から送り出された血液を全身に届けている血管ですが、血液は全身の細胞を働かせ、体のあらゆる機能を正常に機能させるためには欠かすことができない存在です。しかし動脈硬化になり、血液を送るための血管が硬くなると、血流にも支障が出るようになります。その結果、全身の機能に対しても悪影響を及ぼすことがあります。
また、硬くなった動脈は、しなやかで柔軟性を保っている動脈に比べると、血流からのダメージを受けやすい状態にあります。そのため動脈そのものも支障が発生しやすくなり、動脈が詰まる、破れてしまうといった現象が起こりやすくなってしまうのも特徴のひとつです。心臓の動脈が詰まれば心筋梗塞、脳の動脈が詰まれば脳梗塞の発症につながるリスクもあるので、動脈硬化はとても恐ろしい状態といえます。
動脈硬化を予防するには、発症の原因の改善が必要です。
動脈硬化になってしまう原因として、まず挙げられるのが過度なコレステロールや中性脂肪です。これらが動脈内に詰まってしまうと、まず血流が滞るようになります。すると動脈はそのダメージから自分を守るために、ますます硬くなろうとして、その結果として動脈硬化を発症するようになります。
コレステロールや中性脂肪は、食生活と大いに関係があるものです。そのため食生活も原因のひとつと言えますし、それ以外の生活習慣も動脈硬化の原因となり得ます。
たとえば、煙草に含まれる有害物質は血管に大きなダメージを与えるため、それにより動脈硬化のリスクが高くなると考えられています。また運動不足による血液中の酸素不足でも血流が滞るため、動脈硬化が引き起こしやすくなると言われています。
つまり、これらの習慣を改善することで、動脈硬化の予防につながるということです。
動脈硬化は放置しておくと、心筋梗塞や脳梗塞などの血管性疾患を引き起こすことがあります。ですから日頃から予防に努めることが重要です。
まずは食生活においては、脂質を控えることはもちろん、摂取カロリーにも注意することが求められます。早食い、ドカ食いも厳禁です。
ただし脂質でも、青魚に多く含まれているDHAやEPAといった脂質は、コレステロールや中性脂肪を下げることに良いとされていますので、意識して摂取するようにしましょう。
また、高血圧も動脈硬化の原因になるので、塩分の摂りすぎにも注意してください。
そして、野菜や海藻類に多く含まれているビタミン類、ミネラル類には血流や血管の状態を改善する効果が期待できるので、積極的に摂取することをおすすめします。
摂取カロリーの目安は、標準体重(kg)×25~30(kcal)とされています。ただし、このカロリーは標準的な身体活動をしている人のもので、一日中座っている仕事や重労働を行っている人などは、適宜カロリーを増減する必要があります。
また、総カロリーの配分として、脂質は20~25%に留めるようにこころがけましょう。塩分に関しては、一日の摂取量6g未満が理想です。
一方、動脈硬化の予防になるとされている脂質のEPA・DHAは一日1.5~2.5g以上の摂取を目安にするとよいでしょう。これはお刺身のトロの5切れ分程度に相当します。一度に多量のEPA・DHAを摂取するよりも毎日少量ずつ続けることが大切です。
動脈硬化の予防は食生活の改善から行いましょう。摂取カロリーを守るのはもちろんのこと、動脈硬化を予防する作用のある食材を積極的に摂ることも必要です。
ここでは、動脈硬化予防に役立つおすすめレシピをご紹介します。
一品で主食になる満足感の高い一品です。さっぱりした冷やし中華で残暑対策にもおすすめです。
さばはフランパンやグリルで焼いて、骨に気を付けながら身をほぐしておきます。
トマト2個分をすりおろし、適量のだし汁、しょう油、酢、ごま油、塩コショウなどでお好みに味付けします。
ゆで上げた中華麺を汁に投入し、刻んだトマトやきゅうりなどのお好みの野菜と身をほぐしたサバを乗せれば完成です。
トマトのうまみがしっかり詰まった汁なので余分な塩分を除くことができます。
豊富な食物繊維を含むごぼうと人参はコレステロールを減らす作用もあります。大きめに切ることで食べ応えもあり、副菜におすすめの一品です。
ごぼうと人参はやや大きめに切って、あく抜きをします。切ったごぼうと人参はしっかり下茹でし、適量のだし汁と醤油、砂糖、酒で煮立たせ、汁がなくなったら白ごまと鰹節をまぶして完成です。
カプサイシンを多く含むパプリカは動脈硬化予防の効果が非常に高いと考えられています。生クリームを加えることで、甘みが増し、おやつとしてもおすすめの一品です。
パプリカはよく焼いて皮をむき、適当な大きさに切ります。みじん切りにした玉ねぎと共にバターでよく炒め、コンソメスープで30分ほどよく煮込みます。具がくたくたになったら、ブレンダーで滑らかにし、牛乳と生クリームを加え、塩コショウで味を整えたら完成です。
生活習慣では、煙草を吸っている人は、まずは禁煙から始めましょう。
そして、適度な運動(有酸素運動)を始めてください。有酸素運動で酸素をすると脂質が効率よくエネルギーとして消費され肥満の改善につながります。
激しい運動は必要ないので、少し息が切れる程度の早歩きのウォーキング、水泳などを1日30分以上、週に3~4回取り入れることから始めてみましょう。
ただし、運動習慣がこれまで全くなかった人や持病のある人、運動すると調子が悪くなってしまう人は、運動を始める前に医師に相談してください。
また強過ぎるストレスも血管に対してのダメージが大きいと言われているので、ヨガなどのリラクゼーションをしたり、自分の時間をつくったりなどでストレスを上手に解消することも大切です。
動脈硬化は、食生活の乱れや喫煙習慣、運動不足などの生活習慣上の問題と大きく関連しています。予防のために、日頃から脂っこい食べ物は避ける、定期的に運動する、といった生活習慣の改善を心がけることが大切です。
できることから少しずつチャレンジしていきましょう。
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