記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/12/27 記事改定日: 2018/9/18
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
低血糖とは、血液中のブドウ糖が基準よりも少なくなってしまうことです。糖尿病の人に起こりやすいといわれていますが、低血糖はどんなことが原因で起こるのでしょうか。この記事では、糖尿病以外の低血糖の原因についてまとめています。
低血糖とは、何らかの原因で血糖(ブドウ糖)が基準値より少なくなってしまったもので、糖尿病の薬物治療をしている人に高い頻度で見られる緊急の状態です。
血糖値が50mg/dL未満になると脳などの中枢神経がエネルギー不足の状態に陥り、低血糖症状が現れます。ただし人によっては、70mg/dLの通常値でも血糖値が急激に下がることで低血糖の症状が出ることもあり、反対に通常値の70mg/dLを下回っても低血糖の症状が出ない人もいます。
低血糖は、上記で挙げたような糖尿病の薬による影響や、インスリノーマ(膵臓の腫瘍。インスリンを過剰分泌する病気)などが原因になることが多いですが、機能性、食原性といわれる「機能性低血糖」が起こることも少なくありません。
これは、糖尿病患者だから発症するものではなく、それ以外の原因(糖質の過剰摂取によるインスリン過剰分泌での血糖値降下、ストレス、その他の病気など)で血中のブドウ糖が不足してしまい、冷静な判断ができなくなったり、思考が停止したりする症状です。
初期症状として疲労感や不眠、集中力の低下や頭痛、神経過敏などが起こり、進行すると、不安感や恐怖感、精神錯乱などが起こることもあります。ここからさらに悪化すると幻聴や幻覚が現れ、明らかな精神異常がみられるようになり、自殺自傷行為に走ることも少なくないため注意が必要です。
低血糖になると、強い空腹感や疲労感、脱力感、それに伴う震えや冷や汗などの症状が現れます。また、思考力や集中力が低下するなどの精神的な変調も来たし、重症な場合には意識消失や痙攣などを引き起こすことも少なくありません。
この様な症状が現れた場合には、速やかに糖分の高いジュースや飴、砂糖などを口にして血糖値を上げるようにしましょう。
このような対処によって一旦症状が改善したとしても、何らかの病気が潜んでいる可能性もあるため、必ず病院を受診して診察を受けるようにしましょう。また、意識消失や痙攣などの重度な症状が現れた場合には、速やかに救急車を要請することをお勧めします。
低血糖の原因は複数ありますが、特に多い原因として挙げられるのが糖尿病治療薬の使用です。
低血糖を起こしやすい薬として挙げられるのはスルホニル尿素薬(SU剤)とインスリンですが、他の薬剤でも起こることがあるので注意が必要です。
また、低血糖はいつでも起こる可能性がありますが、普段とは異なる行動を取ったときに起こりやすいとされています。
上記で紹介した糖尿病の薬の種類や量を間違えてしまったり、食事の量がいつもより少なかったり、食事の時間がいつもと大幅に違ったりすることなどがきっかけになることが多いようです。また、激しい運動をした場合やお酒を少し多めに飲んだ場合、長時間の入浴などが原因になったり、肥満の改善で薬の必要量が減っていたり、インスリン注射の部位を変えたことなどが原因になることもあります。
低血糖の原因の中でとくに多いとされるものは、糖尿病の薬の影響です。ただし、その他の病気や糖分の過剰摂取、ストレスなどが原因で低血糖が起こることも少なくありません。糖尿病の人は、必ず医師の指示通り薬を使用するようにして、何か変わった変化があるときは、すぐに医師に相談してください。そして糖尿病ではない人は、健康な生活習慣を心がけて低血糖を予防するようにしましょう。
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