記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/1 記事改定日: 2019/8/6
記事改定回数:2回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
女性に人気の「ローズヒップティー」の原料である「ローズヒップ」。今回はこのローズヒップから得られる効果と、摂取時に想定される副作用についてお伝えしていきます。
ローズヒップとは、一般的に橙色から濃い赤色をした、薔薇(バラ)の果実のことです。一般的にはドッグローズ(イヌバラ)のローズヒップが普及していますが、スイートブライアやチェロキーローズなど、他品種のバラから採取されたローズヒップも人気があります。
ローズヒップはビタミンCを豊富に含んでいるほか、トマトの健康成分として知られるリコピンも多く含んでおり、細胞の老化をもたらす活性酸素を排除する抗酸化作用も高いです。他のビタミン群もバランスよく含んでいることもあり、ヨーロッパでは古くから、お茶(ローズヒップティー)の材料として親しまれてきました。
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ローズヒップに多く含まれているビタミンCには、強力な抗酸化作用で免疫力を向上させ、体内に侵入しようとする細菌やウイルスを撃退するだけでなく、肌のくすみやシミなどを薄くする美肌効果があります。また、鉄分も多く含まれていますので、貧血の症状をやわらげてくれますし、体内で炎症を促進するシクロオキシゲナーゼという酵素の働きを抑制する効果もあるため、関節痛などを改善させる効果も期待されています。
また、ローズヒップから採取されたオイルには高い保湿効果が認められています。そのため、化粧水に配合されていることもあります。
さらに、ローズヒップの中にある種子に含まれているティリロサイドには、血糖値の上昇を抑え、体内に脂肪が溜まるのを防ぐ効果があると認められています。漢方の世界でも「金桜子(きんおうし)」という名の生薬として活用されているほど、ローズヒップには高い薬効があるのです。
ヨーロッパで一般的なローズヒップティーも「健康茶」として注目されています。乾燥させたローズヒップをお湯に浸して抽出するもので、お茶用の乾燥ローズヒップには「パウダー(粉末状の実)」「ファインカット(小さく砕いてある実)」「シェルカット(荒く砕かれた実)」の3種類があります。
人気があるのは、3~5分ほどで抽出できるパウダーやファインカットです。ただ、10分近くかけてじっくりと抽出し、ローズヒップの実の食感まで楽しめるシェルカットも、健康に気を遣っている人の間で注目されています。
ローズヒップティー自体の副作用ではありませんが、ビタミンCの過剰摂取によって、倦怠感や胸焼け、下痢や嘔吐などが起こる場合があります。また、不眠の原因になることも少なくありません。ただし、常識的な量を飲んでいる限りは心配不要です。
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ローズヒップは、「ビタミンCの爆弾」の異名を取るほど、大量のビタミンCを含んでいます。その成分を贅沢に抽出するローズヒップティーは、多くの美容・健康効果が期待されていますし、その多幸感あふれる香りが、リラックス効果をもたらしてくれることでしょう。