記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/8 記事改定日: 2019/1/11
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
寝ようとしても、ドキドキという動悸が続いて眠れないのは、いったい何が原因なのでしょうか?
今回は動悸が続いて眠れない人がすぐにできる対処法を紹介していきます。 あくまでも「病気が原因でない」動悸の対処法になるので、病院に行く前の一時的な対処として役立ててください。
動悸で眠れないのは、強い不安が原因によるものかもしれません。もう少し突き詰めていえば、不安症の一種である「パニック障害」によって、睡眠時に過呼吸を起こしている可能性があります。
過呼吸は「過換気症候群」とも呼ばれ、強い不安が原因で引き起こされるものです。浅くて速い呼吸を繰り返すと、血中の二酸化炭素が大量に排出され、血中酸素が多くなります。すると血中のヘモグロビンと酸素が普段よりも強く結合するために、酸素が各細胞に行き届かず酸欠状態に陥ります。これによって息苦しさや動悸、めまい、発汗などが起こるようになるのです。
なお、「パニック障害」とは、脳内の不安に関する神経系の機能が異常をきたすことで、過呼吸や胸痛、動悸などのパニック発作を起こす病気です。呼吸困難に陥るために、「このまま死んでしまうのではないか」と不安が強くなることも少なくありません。
パニック発作によって眠れないときは、落ち着いて深呼吸をすることが有効な対処法です。深呼吸によって血中酸素が多すぎる状態を改善します。10秒間呼吸を止め、口か鼻から3秒ほどかけて息を吐き、また3秒ほどかけて息を吸うのを繰り返しましょう。
また、ラベンダーなどの神経を鎮める効果のあるエッセンシャルオイルの香りを嗅ぐのもおすすめです。ハンカチなどに2滴ほど垂らして香りを吸い込み、深呼吸することで副交感神経が活性化し、自律神経が安定してリラックスできるようになります。
ベンゾジアゼピン系の抗不安薬には、過換気症候群を引き起こす不安や緊張を緩和し、睡眠障害を改善する効果があるとされています。またセロトニン再取り込み阻害薬などの抗うつ薬も有効な場合があります。
動悸で眠れないのは、自律神経失調症などによって自律神経バランスの乱れが原因の可能性もあります。
自律神経は身体の様々な調節を行う神経で、交感神経と副交感神経の二種類があり、それぞれ相反する作用を持ちます。交感神経は「活発にする」作用があり、副交感神経は「休める」作用があります。例えば、心拍数の上昇は交感神経の作用により、心拍数を低下させて落ち着かせるのは副交感神経の作用です。
睡眠時には、副交感神経が優位に働いて気分を落ち着かせる作用が生じます。しかし、自律神経バランスが乱れると睡眠時にも交感神経が活発に働いてしまい、心拍数の上昇や気分の高ぶりを生じることがあり、夜間の動悸や不眠につながるのです。
夜間の動悸や不眠に悩んでいる人は自律神経失調症が原因かも知れません。症状が長く続く場合は、放置せずに病院で相談するようにしましょう。
自律神経のバランスを整えて、快適な睡眠を促すには以下のような対処法がおすすめです。
動悸がして眠れない場合、原因は一概にはいえないものの、睡眠時にパニック発作を起こしている可能性があります。また、自律神経の乱れで動悸が続いている可能性もあります。
運動や深呼吸など日常の習慣なかでできる対策が基本のケアになりますが、ひどいときには薬に頼ってもかまいません。薬の服用に関しては医師に相談しながら、ケアを続けていきましょう。
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