記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/8/31
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
血管年齢の上昇には、加齢だけでなく肥満や高血圧、糖尿病など生活習慣病もかかわっているとされます。そして近年の研究で、「エラスチン」という物質も血管年齢に影響するということがわかってきました。詳しくは以降で解説していきます。
血管年齢とは、血管のしなやかさや硬さを基準とした、血管自体の年齢のことです。血管年齢は加齢に伴い、少しずつ弾力性を失い老化していきますが、生活習慣の乱れなどによっても血管は損傷し、老化していきます。そのため、実年齢よりも血管年齢のほうが高くなっている人も少なくありません。
そして、この血管年齢の老化には「エラスチン」という物質の減少がかかわっているということが、近年の研究によって明らかになりました。エラスチンは血管や皮膚などに含まれる線維状のタンパク質で、これら組織の伸び縮みを支える役割を担っています。血管においては内壁や内膜に多く含まれており、血管の弾力性や柔軟性を維持してくれている重要な物質です。
しかし、このエラスチンは加齢とともに減少することがわかっています。すると血管は伸縮性を失うことで血液の流れが悪くなり、動脈硬化も進行することで、心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクが上がってしまいます。
エラスチンは皮膚の真皮層にも存在し、皮膚に弾力を与え、肌のハリを維持する役割も担っています。そのためエラスチンが劣化・減少すると、肌のたるみが起こったり、シワができたりとさまざまな肌トラブルが起こります。
なお、エラスチンは加齢による変性が早いという特徴があり、20代後半から徐々に減少・劣化していくともいわれています。40歳を過ぎると、さらにその減少スピードは増していきます。
エラスチンは加齢だけでなく、偏った食生活やストレス、喫煙、紫外線などの影響で体内に活性酸素が大量に発生すると、さらに減少していくといわれています。エラスチンの減少を防ぐために、日常的に以下のことに気をつけるようにしてください。
エラスチンは、手羽先や軟骨、牛すじなどのコリコリと弾力のある食べ物に多く含まれています。これらの食べ物を、日々の献立に取り入れるようにしましょう。
皮膚のエラスチンは、紫外線の影響によっても劣化・減少してしまいます。ハリのある肌をキープするために、日焼け止めをしっかり塗る、日傘をさす、つば付きの帽子を被る、長袖や長ズボンの服をなるべく着用する、といった対策を年間通して実践しましょう。
食事を工夫するのがなかなか難しいという方は、エラスチン入りのサプリを活用してみてもいいでしょう。
エラスチンという物質の存在をこの記事で初めて知った、という方も多いかと思います。エラスチンは加齢だけでなく、生活習慣の影響によっても劣化・減少していくとされるので、エラスチンを多く含む食べ物を食べたり、サプリを活用したりと、できることから始めていきましょう。
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