真夏は血液ドロドロになりやすいの?放置するとどんなリスクがある?

2018/9/29

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

血液がドロドロの状態は万病のもとといわれますが、特に真夏は血液がドロドロになりやすい傾向にあります。では、血液ドロドロの状態を放置すると、どんなリスクがあるのでしょうか。また、改善するにはどうすればいいのでしょうか。

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血液ドロドロってどんな状態?

血液がドロドロといわれる状態は赤血球、白血球、血小板からなる細胞成分と液体成分のバランスが崩れることによって起こります。

このバランスが崩れる原因は主に4つあります。1つ目は液体成分が減ることによる赤血球の増加、2つ目は糖尿病による赤血球の硬化によって狭い血管の流れが悪くなる、3つ目はメタボリックシンドロームいわゆる肥満や、水分不足、飲酒などにより血小板が固まりやすくなる、4つ目は風邪など身体の炎症反応やストレス、喫煙などにより白血球が粘着性を高めて血管壁にへばりついて流れが滞るということです。

真夏の猛暑が血液ドロドロの原因になるって本当?

夏になると気温が上昇するのに伴い、体温を調整するために運動などをしなくても発汗量が増えていきます。そうすると血液中の水分量も減り、血液の濃度が増します。血液の濃度が増すと血流の速度も低下するため、血液がドロドロになりやすくなってしまいます。

真夏の血液ドロドロ、放置するとどうなる?

それでは血液のドロドロ状態を放置すると、どういったことが起きてしまうのでしょうか。

血液のドロドロとした状態を放置すると、血液の濃度が濃くなるため血栓を形成しやすくなってしまいます。この血栓は血液の流れによって身体の各所に運ばれていきます。
この血栓が脳の血管に運ばれて脳の血管をふさいでしまった状態が脳梗塞で、心臓の血管をふさいでしまった状態が心筋梗塞です。

つまり、血液のドロドロとした状態を放置すると脳梗塞や心筋梗塞といった命の危険を及ぼすリスクのある疾患に罹患する可能性が非常に高くなってしまうのです。

真夏の脳梗塞や心筋梗塞を予防するには?

夏は脳梗塞も心筋梗塞も発生する頻度が非常に高い季節になります。そのため、積極的に予防をしていくことが重要です。
最も手軽にできる予防方法は水分補給です。こまめに水分を摂ることで血液がドロドロになるのを予防でき、血栓の形成を予防できます。喉の渇きを感じる前に水分を摂るようにし、特に寝る前、起床時、スポーツの前後やスポーツ中は意識して水分を摂るようにしましょう。ただし、水分であってもアルコールは尿量を増加させてしまい脱水を助長する原因にもなるため大量の飲酒を控えるようにしましょう。

水分は、麦茶での補給が特におすすめです。ミネラル入りの麦茶には血流改善効果が期待でき、血液ドロドロの状態の予防や改善に効果を発揮するということが研究により分かっています。

さらに、夏風邪などの感染症にかかってしまうと血液がドロドロになりやすくなりますので、冷房などを適切に使用して夏風邪を予防していくことも脳梗塞や心筋梗塞の予防につながります。

おわりに:血液ドロドロ状態を予防して脳梗塞や心筋梗塞を予防しよう

血液がドロドロになる状態とは赤血球、白血球、血小板からなる細胞成分と液体成分のバランスが崩れることによって起こります。特に真夏は何もしなくても汗をかくため水分が体内より喪失しやすく、液体成分のバランスが容易に崩れます。そうして血液がドロドロになると血栓を形成し、その血栓が脳や心臓の血管へ行き着くことによって脳梗塞や心筋梗塞を引き起こしてしまうのです。

これらを予防するために、こまめに水分摂取をしましょう。特に麦茶は血流改善効果も期待でき血栓の形成を予防、改善する効果もあるため積極的に摂っていくのがおすすめです。

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