記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/10/4
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「ランチタイムの後は眠くて、仕事中もぼーっとしてしまいがち」という方は案外多いのではないでしょうか。今回はこの食後の眠気と糖尿病の関連性や、有効な対処法についてお伝えしていきます。
お昼休憩開けに眠くなるという方はたくさんいらっしゃると思いますが、午後の眠気の原因は3つあるといわれています。
1つめは、「血糖値の乱高下」です。食生活に炭水化物や甘い物が多いと、血糖値の調整がうまくいかず食後に血糖値が急上昇し、それを下げようとインスリンが過剰に働いて一時的に低血糖になってしまいます。朝なかなか起きられず、日中は疲れやすくぼーっとしてしまう、感情の起伏が大きい、といった症状もあるようなら、食生活を見直す必要があります。
2つめは「自然なリズムによる眠気」です。体内時計の生体リズムでそもそも14時頃は眠くなるようになっており、ある程度の午後の眠気は健康な証拠ともいえます。
3つめは「疲れ、寝不足」によるものです。睡眠負債とも呼ばれる慢性的な睡眠不足では、短期的には日中のだるさや眠気、長期的には認知症などの脳の機能障害や、免疫力の低下による病気のリスクを上昇させるといわれています。
低血糖による眠気の場合、睡眠時間はきちんと確保しているのに昼食後に強烈な眠気があり、精神的に不安定でネガティブになりやすくなります。そのようなときには血糖値の急激な変化を避けることが大切で、白米やパン、麺、イモ類などの炭水化物を減らすことが勧められますが、食べる順番を変えるだけでも効果があります。
主食の炭水化物ではなく、おかずである野菜など食物繊維を多く含むものや肉や魚、卵、豆類、チーズなどのタンパク質から食べ始めることで、血糖値の上昇を緩やかにし体への負担を抑えることができます。
また、ジュースなど大量の砂糖が使用されている飲料をよく飲む人は、糖質に気をつけて野菜ジュースやお茶、コーヒーなどに替えると良いでしょう。さらにヨーグルトやチーズ、海藻、納豆など健康的な食材を意識してとるようにすれば、体調管理も行いやすくなります。
それでも強い眠気が長時間続いてしまうなら、病気のサインかもしれません。もともと食後に強い眠気を引き起こすインスリンの過剰な分泌は、すい臓の負担になることから「糖尿病」の前兆とみられています。また、強い眠気が食後ずっと続いているということは、覚醒と睡眠を切り替える働きがあるホルモンが作られず血糖値が高いまま正常に戻らない状態であるかもしれません。
インスリンの分泌に問題が起きた初期の糖尿病の場合、症状として口が渇く、水分をたくさん飲む、尿の回数や量が増える、体重が減少する、体力が低下する、空腹感がある、だるさ・眠気があるといったことがあります。糖尿病は、放置すると視力や腎臓機能に重大な問題が出てくる病気です。食後に強い眠気が続くようであれば、かかりつけ医に相談するようにしましょう。
考えられる3つの原因のうちのひとつが、急激な血糖値の上昇がインスリンの過剰分泌を促し一時的に低血糖になって眠気を引き起こすというものです。まずおかず類から食べ始めるなど食事での工夫ができますが、強い眠気が長く続く場合は糖尿病の可能性もあるので医師に相談するようにしましょう。
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