記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/12/24
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
先天性の病気のなかには、大人にならないと症状があらわれないものがあるのを知っていましたか? 心臓の働きに影響を与える先天性の病気「心室中隔欠損症」は、そんな病気のひとつです。この記事では、心室中隔欠損症の症状や治療方法について紹介します。
心臓の主な働きのひとつが、血液を循環させるうえでのポンプ機能です。心臓は、全身に血液を送り出す「左室」、肺に血液を送り出す「右室」とに分かれています。左室と右室では血液を送り出す行き先が違うので、誤った器官に血液を送り出さないように「心房中隔」という壁で左右が仕切られています。しかし生まれつき心房中隔に穴が開いている「心房中隔欠損症」という病気があります。先天性の病気の中でも患者数が多いといわれています。
心房中隔欠損症では血液が正常に循環せず、肺高血圧、肺うっ血、大動脈弁の変形や閉鎖不全といった症状を引き起こします。
心房中隔欠損症の症状は患者さんの年齢によって変化していきます。ほとんどの場合で思春期のあたりまでは自覚症状がありませんが、30歳前後になると心不全症状などさまざまな症状があらわれ、合併症を発症するおそれがあります。
治療は大きく分けて、カテーテル治療、外科手術、無治療に分かれます。
治療で欠損部分の穴をふさいだあとも合併症を発症する可能性があります。特にカテーテル治療では以下のような合併症が考えられます。
感染性心内膜炎、感染症、カテーテルによる静脈または心臓への穿孔、カテーテル挿入部位の血管または神経の損傷、経食道心エコーによる食道への穿孔、閉鎖栓へのアレルギー、閉鎖栓による穿孔、不整脈、脳卒中、血流障害、血腫、発熱、片頭痛、高血圧または低血圧、X線皮膚障害など。 |
上記は合併症の一例であり、必ずしも合併症が発生するというわけではありません。治療を検討する際はリスクを理解したうえで、不安や疑問は医師に相談しましょう。治療後は、医師の指示のもと投薬治療を行います。日常生活の注意点を守りながら治療を続けてください。
心房中隔欠損症は、多くの場合で大人になってから症状が急にあらわれるのが特徴です。心臓に生まれつきの病気があったとは思いもよらないことかもしれませんが、気になる症状があったら早めに受診し、病気の悪化を防ぎましょう。
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