記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/9/6
記事監修医師
前田 裕斗 先生
生まれたばかりの赤ちゃんとの生活は、大きな楽しさがある一方で心配ごとも尽きませんよね。すくすく育ってほしいから病気のサインには気づいてあげたいものですが、どんなことに注意するのがよいのでしょう。この記事では、赤ちゃんの心臓から雑音が聞こえる場合の対処法について紹介します。
「心雑音」とは、正常な心臓が脈打つ音の合間に異常音が聞こえることをいいます。心雑音が聞こえたからといって、病気だとは限りません。新生児の30~70%に心雑音がみられ、健康な赤ちゃんにもあらわれる生理的なものと考えられています。
この心雑音を「機能性(無害性)心雑音」といい、心臓の動きが活発な赤ちゃんに多いといわれています。機能性心雑音は成長とともに聞こえなくなることが一般的です。
機能性心雑音の場合は大きな心配をしなくて大丈夫ですが、心雑音が病気のサインであることがあります。それは赤ちゃんが「先天性心疾患」に罹っているケースです。
正常に生まれてきた赤ちゃんの1%には先天性心疾患がみられます。出生してから数日が経っても心雑音が聞こえる場合は、専門医に相談し診察を受けてください。
先天性心疾患には多くの種類があり、症状の程度もさまざまです。心臓は全身に血液を送り出す大切な臓器であり、重症のケースは生死に関わります。もし重症だと診断されたら、新生児期のうちに手術を行う必要性は高いとされています。症状が中程度であれば、赤ちゃんの成長を待って小児期に手術を検討することが多いでしょう。
完全大血管転位症、総肺静脈還流異常症、肺動脈弁閉鎖症、高度の肺動脈弁狭窄症、大動脈縮窄複合、総動脈幹症など、重度の心疾患と診断されたら早期の手術が必要です。
診断後に即手術を行うとは限りません。経過をみながら症状の進行度合によって手術を検討します。
下記で比較的よくみられる中程度の先天性心疾患を取り上げ、日々の生活で気をつけたい症状をあわせて紹介します。
日常生活に支障をきたすことがあまりなく、手術の必要性は低いです。受診を続けながら様子をみていきます。
心雑音は健康な赤ちゃんにもあらわれます。一方で、先天性心疾患を発症している可能性があります。先天性心疾患は経過をみながら自然治癒にまかせるケース、手術が必要なケースなど種類はさまざまです。専門医に相談しながら、適切な対応をしていきましょう。
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