運動でフレイル予防! 筋トレとウォーキングを始めよう

2019/1/10

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

フレイルとは要介護状態に達する前段階のことで、加齢によって心身の機能や行動・生活の意欲が衰えた状態です。この記事では、フレイルの予防に有効的な、筋力トレーニングやウォーキングなど運動のポイントを解説します。

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フレイルを予防する運動:①筋トレのポイント

フレイルの中でも、加齢による筋力減少と行動意欲低下を改善するには、特に筋力アップ・疲労軽減効果の高い「レジスタンス運動」が良いといわれています。

レジスタンス運動とは、特定の関節や筋肉など局所に負荷をかけ、その負荷を数週間単位で上げていくことで骨格筋全体の強化をめざす運動です。週に2~3回、1個所につき20分程度の運動を、3カ月以上継続して行うのが望ましいと言われています。

以下に、主に下肢に効果的なレジスタンス運動の具体的なメニューをご紹介します。

下肢に効くレジスタンス運動 ①

椅子に膝が90度になるように背筋を伸ばして浅めに腰かけ、両手は座面に乗せます。姿勢を崩さないよう注意しながら、足の付け根から動かすイメージで足を持ち上げていき、かかとが床に就かないところまでゆっくりと下ろし、再び上げていきます。

この動きを左右それぞれ10回ずつ、膝の角度を変えないように繰り返し行います。

下肢に効くレジスタンス運動 ②

テーブルの前に椅子を設置し、背筋を伸ばした状態で、膝は90度に曲げて浅めに座ります。このとき、手は左右それぞれのももの上に置いた状態にしてください。

体の前にあるテーブルの縁に軽く両手を添えて、ゆっくりと立つ・座る動作を10回程度繰り返します。手に体重をかけずに上下することで、下肢の骨格筋が鍛えられます。

フレイルを予防する運動:②ウォーキングのポイント

筋力トレーニングとあわせて、フレイル予防にぜひ取り入れたいのがウォーキングです。ウォーキングは主に下肢の筋力を向上させ、脚力や歩行能力をアップさせてくれるので良い運動になりますし、他人や外の世界とかかわる良いきっかけにもなります。

以下に、フレイル対策としてウォーキングを行う場合のポイントをご紹介します。

  • 背筋を伸ばし胸を張って、おへそから前に引っ張られるイメージで進む
  • 歩くときはかかとから踏み出して着地し、つま先で地面を蹴って大股に歩く
  • 肩、首、腕の力は抜いて、手は肘から前後に大きく振るようにする
  • 合計20~30分のうち、速度を普通~早歩き、大股歩きなど周期的に変える
  • ウォーキング中に簡単な引き算や考え事をして、頭を一緒に動かすのもおすすめ

おわりに:筋トレとウォーキングを気持ちよく続けて、フレイル予防しよう

加齢による心身の衰え・フレイルを予防するために、難しい内容や高負荷の運動は必要ありません。自宅の椅子やテーブルを使った立ち座りの繰り返しや、正しい姿勢でのウォーキングなど、すべてあわせても1日20~30分の運動を週2~3日続けるだけで十分です。できるだけ長く自分の足で歩いて健康寿命を延ばせるよう、楽しみながら運動習慣を身につけましょう。

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