2型糖尿病と1型糖尿病と何が違うの? ― 糖尿病の基礎知識

2017/10/23 記事改定日: 2018/8/24
記事改定回数:2回

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

糖尿病には、1型糖尿病と2型糖尿病があり、それぞれ特徴が違います。では、治療や予防の方法に違いはあるのでしょうか?
この記事では2型糖尿病とはどのような糖尿病かについて解説していきます。治療や予防のことにも触れているので、参考にしてください。

2型糖尿病とは

糖尿病は、簡単に言うと血液中に含まれる糖分(ブドウ糖)の量が多くなり、「血糖値が高く」なる病気のことです。

ブドウ糖は、人間の体内でエネルギー源として利用されるとても大切な栄養素ですが、血糖値が高くなる状態が長く続くと体に様々な悪影響が起こります。

血液中の糖は、インスリンというホルモンによって筋肉や脂肪組織などに取り込まれ、エネルギーとして消費されます。このインスリンの分泌量が少なくなったり、インスリン抵抗性(インスリンの作用が働きにくい状態)が続いたりすると、高血糖状態が続き、最終的に糖尿病となります。

子供に多い1型糖尿病に対し、成人後、とくに中年期以降の人に多くみられるのが2型糖尿病です。ただし、近年は食習慣の欧米化などの影響で、青年期の人や子供の発症例も増えています。糖尿病全体の割合の大部分を占めているのがこの2型糖尿病であり、一般的に糖尿病と言うとこの2型糖尿病を指す場合が多いです。

原因

2型糖尿病の発症には、生活習慣が大きく関わっています。たとえば脂質が多く、カロリーが高い食べ物を摂りすぎたり、運動不足が長く続いたり、ストレスが蓄積したりすると、インスリンの分泌が悪くなったり、インスリンの持つ「糖を代謝する」効果が出にくくなってしまうのです。

2型糖尿病は、症状がゆっくり進むことが特徴です。自覚症状がないままに進行するため、健康診断の血液検査のときにたまたま見つかるケースが多いです。また、気づいたときにはすでに合併症を引き起こしてしまっているケースもあります。

2型糖尿病を完治させることはできませんが、生活習慣を改善することで糖代謝の異常をある程度回復させることができるとされています。

症状

2型糖尿病は、発症初期には症状はほとんどないのが特徴です。中には、喉の渇きやすさや頻尿、疲れやすさ、足のしびれなどを自覚する人もいますが、これらの症状に気づかない人も多く、発見が遅れることも少なくありません。

しかし、2型糖尿病は放置すると徐々に進行して、全身の血管に動脈硬化を引き起こします。その結果、心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な合併症を引き起こすこともあり、目や腎臓の血管にダメージを与えて失明や腎不全に陥るケースも多々あります。さらに、神経障害を引き起こし、足壊疽によって足を切断しなければならないこともあります。
このように、2型糖尿病では血糖が高くなることによって様々な合併症が引き起こされ、日常生活に大きな支障を来たすケースや生命に関わる重大な合併症が生じるケースがあり、適切な血糖コントロールを続けることが必要となるのです。

1型糖尿病について

1型糖尿病は、インスリンを分泌する働きがあるすい臓の細胞(ランゲルハンス島β細胞)が、遺伝的な要因や自己免疫の異常などが原因で破壊されてしまい、インスリンの分泌量がほとんどなくなってしまうのが原因で発症します。

1型糖尿病は、子供や若い世代の人たちに生じやすい糖尿病で、2型糖尿病よりも急激に進行し、改善しにくいのが特徴です。また、急に痩せたり、突然ひどくのどが渇いたりする症状があらわれる、ということもあります。そして、昏睡状態を引き起こす糖尿病ケトアシドーシスを引き起こしやすく、治療にはインスリン療法が必須です。

1型・2型糖尿病の治療の違いとは!?

糖尿病は1型・2型ともに初期症状があらわれにくいため、気づかないうちに進行してしまうことが多いです。このため、自覚症状が出てきたときにはかなり重症になっているケースも少なくありません。

1型にしても2型にしても、糖尿病を完治させることはできません。このため、治療では症状に合わせて食事療法や運動療法、薬物療法(インスリン療法を含む)を組み合わせながら血糖値コントロールを行うことで、合併症を防ぐことが主な目的になります。

1型糖尿病の治療

1型糖尿病は必要なインスリンを分泌できない状態なので、自分でインスリンを注射して、血糖値をコントロールすることが治療の中心になります。また、必要に応じて食事療法や運動療法を組み合わせた治療をすることもあります。

2型糖尿病の治療

2型糖尿病の場合、最初は薬に頼らず、生活習慣の改善で血糖値を目標まで下げることを目指します。食事の改善や運動だけでは血糖コントロールができなくなったときに、経口血糖降下薬の服用が始まります。もし、それでも血糖値をコントロールできなくなってしまうと、インスリン注射が必要になり、改善が難しくなっていきます。

生活習慣の改善はどうやってすればいい?

2型糖尿病の改善や予防のためには、生活習慣を見直すことが必要です。
特に食生活と運動習慣は2型糖尿病の発症や悪化に大きく関わるため、ぜひ見直すようにしましょう。
食生活は適正な摂取カロリーを守ること、栄養バランスを整えること、高脂肪を避けて野菜中心のメニューを選ぶことなどに注意しましょう。

また、運動習慣は特にウォーキングやサイクリングなどのような有酸素運動を取り入れることが大切です。無理のない範囲で長く続けられる運動を見つけてください。
その他にも、2型糖尿病はストレスや睡眠不足が続くことが原因となることもあるため、適度な休息やストレス解消を行うようにしましょう。

おわりに:1型も2型も食事と運動に気を配ることが重要!

糖尿病治療や発症の予防、さらには合併症を予防するためにも、バランスのよい食事と適度な運動を取り入れた、健康的な生活習慣を心がけることが重要です。また、糖尿病は早くに治療を始めた方が血糖値をコントロールしやすく、悪化を防ぐことができると言われています。早期発見のためにも、定期健診を忘れずに受けるようにしましょう。

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