記事監修医師
前田 裕斗 先生
2017/11/16 記事改定日: 2019/9/10
記事改定回数:3回
記事監修医師
前田 裕斗 先生
つわりも落ち着いて安定期に入る妊娠中期の胃もたれは、妊婦さんの多くに見られる症状です。穏やかな妊婦生活に突然襲ってくる胃もたれに、不安になる人もいるでしょう。ここでは、妊娠中期の胃もたれについて、原因や解消法をご紹介します。
妊娠中期に胃もたれを感じる妊婦さんは少なくありません。これは赤ちゃんが成長するにつれ、大きくなった子宮が胃を圧迫することが原因としてまず考えられます。
妊娠14~27週にあたる妊娠中期は安定期ともいわれ、胎盤が完成してお腹がふっくらし始めます。流産の危険も減り、つわりが落ち着いて過ごしやすい時期です。ウォーキングやヨガなど適度な運動が可能になりますが、体重が増え始めるために腰や背中に痛みを感じることもあります。つわりの時期に思うように食事ができなかったことで、妊娠中期になって食欲が増える人も多いです。
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体の右側を下にして横になると、胃の中にあるものがスムーズに移動するため胃もたれが解消されます。ただし、食後すぐに横になると胃の働きを低下させる原因になるため、注意が必要です。また、胃もたれが起こっているときは脂肪分の多い食事を避け、負担の少ないものを摂るようにしましょう。
また、自律神経の乱れが原因で胃もたれが起こることがあります。自分に合ったリラックス方法を見つけて、副交感神経を優位にしましょう。ぬるめのお風呂にゆっくり入ることもおすすめですが、食後30分から1時間後に入浴するようにしましょう。
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妊娠前に胃の不調を感じたとき、胃薬を飲んで対処していたと思います。胃薬は妊娠中でも服用できる種類が比較的多く、市販の胃薬ではガスター10®や太田胃散®は安全に飲むことができます。また、ビオフェルミンなど、整腸作用のある胃薬も安全です。
ただし、妊娠中の薬の服用は胎盤を通して胎児に渡ってしまうことがあり、奇形などの原因となりえるため、自己判断での服用は控えたほうが安心です。必ずかかりつけ医に相談するとともに、病院で処方された胃薬を飲むようにしてください。
胃もたれの予防には、食事をよく噛んでゆっくり食べ、1回の量を減らしてこまめに食事を摂るようにすることが効果的です。また、遅い時間や就寝前の飲食も控えましょう。
胃の調子が思わしくないときは、りんごやバナナ、うどんやおかゆなど消化のよいものを中心に食べましょう。たんぱく質では脂肪分が少ない豆腐や納豆といった植物性たんぱく質や、白身魚やささみなど胃に負担の少ない動物性たんぱく質を摂ってください。また、食後は消化の働きを助けるため、すぐ横になるのは避けてください。
私たちの体には、胃もたれや胸焼けに効果があるツボがいくつか存在します。妊娠中はなるべくなら薬を飲まずに、自然な力で不快な症状を治したいとき、ツボ押しがおすすめです。
胃もたれや胸焼けに効くツボは、手首の横のシワの中心より指三本分肘側に寄ったところや、くるぶしから膝につながるラインなどがあります。ただ、ツボを刺激しすぎることで逆に気分が悪くなったり、無理な体勢で行うことでお腹が張りやすくなったりします。ツボを押すときは無理のない範囲で、適度な強さで行うようにしましょう。
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