カリウムが不足するとどんな症状が起こるの?

2018/4/27 記事改定日: 2019/5/17
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

人体に必要なミネラルの一種「カリウム」。カリウムが不足すると、身体にどんな影響が出るのでしょうか?カリウム不足の健康上のリスクや、カリウムを豊富に含む食材などをご紹介します。

カリウムの主な働きとは?

カリウムとは、人体にとって必要不可欠な電解質(給水や血中のpHの調整、また筋肉や神経の活動に必要なイオンのこと)です。カリウムの主な働きは、以下の通りです。

  • ナトリウム(塩分)の排出と、塩分の過剰摂取による高血圧の抑制
  • 筋肉や心臓の収縮
  • 神経細胞同士の情報伝達のサポート
  • 細胞内の浸透圧の調整

これらの働きから、高血圧の予防やむくみの改善、心臓や筋肉の維持などの効果があると考えられています。

カリウムが不足するとどんな症状がでる?

カリウムが欠乏すると、血圧上昇やむくみのほかにも、脱力感・食欲不振・嘔気・不安感・不整脈などの症状がみられることがあります。重度の場合は心停止する恐れもあります。

また、カリウムとナトリウムのバランスが崩れると、脳に電気信号がうまく運ばれなくなるため、どこも異常がないにも関わらずなんとなく体調が悪いというようなことが起こります。これを「不定愁訴(ふていしゅうそ)」といいます。このほか、腎機能の低下している人は低カリウム血症を起こすこともあります。

低カリウム血症

低カリウム血症とは、嘔吐、下痢、副腎の病気、利尿薬の使用などが原因となって、カリウムの濃度が低くなってしまう状態を言います。わずかに血液中のカリウム濃度が低下した程度では症状は見られませんが、大きく低下すると、筋力低下、筋肉のけいれんやひきつり、不整脈、麻痺が生じます。なお、低カリウム血症が長期間続いてしまうと、腎機能の異常を招いてしまうこともあります。

一般的には、食べ物やサプリでカリウムを摂取することで症状が改善しますが、経口摂取が不可能な場合や心臓の症状が見られる場合には、点滴や静脈注射で治療を行う必要があります。

カリウムが不足しやすいのはどんな人?

カリウム不足は無理なダイエットなどによる摂取量の不足、頻回な下痢や嘔吐、利尿薬の乱用などによる排泄量の増加によって引き起こされます。

ヒトの体内でカリウムを生成することはできないため、正常なカリウム量を維持するには飲食物から摂取する必要があります。
また、体内のカリウムは体液に多く含まれているため、体液が失われやすい下痢や嘔吐はカリウムの排泄量を増加させるのです。また、利尿薬の中には尿と共にカリウムの排泄量を増加させる作用のあるものもあります。

このため、カリウム不足は、感染性胃腸炎などで下痢・嘔吐が頻回にある場合に起こりやすくなります。また、慢性的なカリウム不足になりやすい人としては、過激なダイエットを行っている人、食欲低下を引き起こす病気に罹患している人、極端な偏食をする人などが挙げられます。

カリウムが豊富に含まれる食べ物でカリウム不足を予防しよう

カリウムは野菜(ほうれん草、三つ葉、小松菜)や果物(特にスイカやメロン、キウイ、カキ、バナナ、アボカドなど)、昆布やヒジキなどの海藻類、里芋やサツマイモなどのいも類、大豆(納豆)やインゲン豆などの豆類などに多く含まれています。

また、植物性食品だけでなく、肉や魚介類にも多く含まれています(牛ひれ肉など)。比較的生鮮食品に多く、加工や精製が進むと含量は減少してしまいます。

なお、カリウムは水に溶けやすい性質を持っているため、調理方法によっては成分が失われてしまいます。煮るだけで約3割のカリウムが失われると言われるので、生以外で食す場合は、スープやみそ汁などの汁物として溶けた成分を一緒に摂取するようにしてください。

おわりに:日々の食事からカリウムをしっかり摂取しよう。調理方法にも要注意!

私たちの体のさまざまな機能を維持してくれているカリウム。不足すると、筋肉や心機能にまで影響を及ぼすことがあります。基本的には食事での摂取が重要になりますが、調理方法によってはカリウムが失われてしまうので、工夫しながら賢く摂取しましょう。

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