痛風時のアルコールについて ― ビールじゃなければ飲んでいい?

2018/5/14

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

プリン体を多く含むビールなどを飲むと、尿酸値を上げてしまうといわれています。そのため、痛風の人や尿酸値が高い人は控えているという方も多いのではないでしょうか。では、ビ―ルの代わりにノンアルコールビールを飲んでも問題ないのでしょうか。この記事では、ノンアルコールビールやプリン体について解説します。

痛風のとき、ノンアルコールビールなら飲んでもいい?

ビールにはプリン体※が多く含まれているので、痛風の人が飲むと症状が悪化するおそれがあります。また、アルコール自体が尿酸値を高める作用があるといわれているので、お酒自体も痛風に悪影響を及ぼす可能性があるといわれています。ノンアルコールビールの中にはプリン体が含まれていないものもありますので、痛風の人はビールよりもノンアルコールビールを選ぶようにしましょう。ただし、ノンアルコールビールの全てがプリン体ゼロというわけではありませんので、購入する際には成分を確認するようにしてください。

※ プリン体は通常、分解されると尿酸に変化して体外に排出されますが、尿酸量が排出能力を超えて体内に蓄積されると、痛風の原因となるとされています。

痛風時のアルコール、焼酎に変えればいい?

アルコールは、分解されるときに尿酸を産生し、尿酸を尿から排泄する働きを阻害する作用があるため、血清尿酸値を上昇させてしまうといわれています(詳しくは後述)。このため、プリン体を含んでいない焼酎やウイスキーなどのアルコールでも血清尿酸値は上がる可能性があるのです。
プリン体は含まれていませんが、焼酎はアルコール度数が高いので飲み過ぎないように注意しましょう。

痛風でのアルコール、ワインなら飲んでいい?

ワインはプリン体をあまり含んでいませんが、アルコール飲料なので尿酸値を上昇させる可能性があります。ビールと比較するとプリン体含有量が少ないですが、ワインや日本酒も焼酎ほどではありませんが、アルコール度数が高いものが多いので注意が必要です。
ワインに含まれるポリフェノールには尿酸値を下げる効果が期待できるといわれていますが、ワインを飲むだけで高尿酸血症や痛風が治ることはありません。種類に限らず、アルコールの飲み過ぎは控えましょう。

痛風の原因はアルコールとプリン体!

痛風が起こるメカニズム

  • プリン体が分解されるとき、老廃物である尿酸が過剰につくられる
  • 尿酸を尿で排泄する機能が低下することにより、尿酸値が高くなり、高尿酸血症(=尿酸値7mg/dl以上)となる。

以上の症状が悪化した場合に、突然の激痛を伴い痛風が発症します。

尿酸値上昇を引き起こす原因

  • プリン体含有量が多い飲食物を摂取することにより、尿酸の材料であるプリン体が増加する。
  • アルコールを摂取することにより、プリン体の分解を促進する(尿酸の産生増加)。
  • アルコールが分解される際に発生する乳酸が、尿酸の排せつを妨げる。

痛風になったら、アルコールは飲まないほうがいいの?

  • アルコールの種類を問わず、アルコール自体を分解する際に、尿酸値を上げてしまう働きがある。
  • アルコールにはエネルギー物質であるATPを分解して、尿酸の産生を促す効果がある。
  • アルコールを肝臓で分解する際に乳酸は、腎臓からの尿酸の排出を低下させる働きがある。
  • アルコールには抗利尿ホルモンを抑制し脱水を促進する働きがあり、脱水により尿量が少なくなると、尿酸の排出ができなくなるため、体内の尿酸値が高くなる。

上記のような理由から、飲酒は痛風や高尿酸血症の悪化につながるといえるでしょう。アルコール摂取量が30~49.9gほどになると、痛風になるリスクは約2倍になるとされています(日本酒なら1合、ビールならロング缶1本で、純アルコールで20g程度)。飲酒をするときは適量を守って飲むようにしましょう。

おわりに:プリン体の少ないノンアルコールビールを選ぼう

痛風の人がプリン体を豊富に含むビールを飲むと尿酸値が上昇して悪化する恐れがあります。また、プリン体だけでなくアルコールにも尿酸値を上げる作用があるといわれているので、痛風の人や尿酸値が高い人は、ビールではなく、なるべくプリン体含有量の少ないノンアルコールのビールを選ぶようにしましょう。
焼酎やワインなど、ほかのお酒を飲むときは適量を守って飲むようにしてください。

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