痛風になったらアルコールはダメ?ビールじゃなければ大丈夫?

2018/5/14 記事改定日: 2019/8/26
記事改定回数:2回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

プリン体を多く含むビールなどを飲むと、尿酸値を上げてしまうといわれています。そのため、痛風の人や尿酸値が高い人は控えているという方も多いのではないでしょうか。では、ビ―ルの代わりにノンアルコールビールを飲んでも問題ないのでしょうか。この記事では、ノンアルコールビールやプリン体について解説します。

痛風の原因は?

痛風は、以下のような症状が悪化したときに発症します。

  • プリン体が分解されるとき、老廃物である尿酸が過剰につくられる
  • 尿酸を尿で排泄する機能が低下することにより、尿酸値が高くなり、高尿酸血症(=尿酸値7mg/dl以上)となる

尿酸値を上げてしまう原因として、以下の3つが考えられます。

  • プリン体含有量が多い飲食物を摂取することで、尿酸の材料であるプリン体が増加する
  • アルコールを摂取することにより、プリン体の分解を促進する(尿酸の産生増加)
  • アルコールが分解される際に発生する乳酸が、尿酸の排せつを妨げる

痛風になったら、アルコールは飲まないほうがいい?

  • アルコールの種類を問わず、アルコール自体を分解する際に、尿酸値を上げてしまう働きがある
  • アルコールにはエネルギー物質であるATPを分解して、尿酸の産生を促す効果がある
  • アルコールを肝臓で分解する際に乳酸は、腎臓からの尿酸の排出を低下させる働きがある
  • アルコールには抗利尿ホルモンを抑制し脱水を促進する働きがあり、脱水により尿量が少なくなると、尿酸の排出ができなくなるため、体内の尿酸値が高くなる

上記のような理由から、飲酒は痛風や高尿酸血症の悪化につながると考えられます。アルコール摂取量が30~49.9gほどになると、痛風になるリスクは約2倍になると言われています(日本酒なら1合、ビールならロング缶1本で、純アルコールで20g程度)。飲酒をするときは適量を守って飲みましょう。

ノンアルコールビールなら飲んでも大丈夫?

ビールにはプリン体が多く含まれているため、痛風の人が飲むと症状が悪化するおそれがあります。また、アルコール自体が尿酸値を高める作用があるため、お酒そのものが痛風の原因となる可能性があります。

ノンアルコールビールの中にはプリン体が含まれていないものもありますので、痛風の人はビールよりもノンアルコールビールを選ぶのがおすすめです。ただし、ノンアルコールビールの全てがプリン体ゼロではないので、購入する際には成分を確認してください。

焼酎やウイスキー、ワインは?

アルコールが分解されるときに尿酸を産生し、尿酸を尿から排泄する働きを阻害する作用があります。このため、プリン体を含んでいない焼酎やウイスキー、血清尿酸値を上昇させる可能性があります。特に、焼酎はアルコール度数が高いので飲み過ぎないように注意しましょう。

また、ワインはプリン体をあまり含んでいませんが、アルコール飲料なので尿酸値を上昇させる可能性があります。ビールに比べるとプリン体含有量は少ないですが、焼酎ほどではないにせよ、アルコール度数が高いワインもあるため注意が必要です。

ちなみに、ワインに含まれるポリフェノールには尿酸値を下げる効果が期待できるといわれていますが、ワインを飲むだけで高尿酸血症や痛風が治ることはありません。種類に限らず、アルコールの飲み過ぎは控えましょう。

おわりに:プリン体の少ないノンアルコールビールを選ぼう

  • 痛風の人がビールを飲むと尿酸値が上昇して症状を悪化させる恐れがある
  • 痛風の人や尿酸値が高い人は、ノンアルコールビールを選ぶとよい
  • プリン体だけでなく、アルコールにも尿酸値を上げる作用がある
  • 焼酎やワインなど、ほかのお酒を飲むときは適量を守る

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