記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/8/30
記事監修医師
前田 裕斗 先生
近年、晩婚化に伴う女性の初産年齢の高齢化とともに、一般的になってきた不妊治療。
赤ちゃんを授かるために挑戦するなら、事前にリスクは理解しておきたいですよね。
今回は不妊治療の代表的なリスクやリスクを避けるためにできる予防策などをご紹介していきます。
不妊治療では自然妊娠に比べ、双子または三つ子以上を妊娠する多胎妊娠(たたいにんしん)が起こるリスクが上がるといわれています。
不妊治療で多胎妊娠が起こりやすくなる理由としては、以下が挙げられます。
赤ちゃんを切望し、不妊治療を行っていた人にとって多胎妊娠は喜ばしいこととも思われますが、実は多胎妊娠には母体・胎児の両方にとってリスクを伴います。
以下に、多胎妊娠によって起こり得る母体・胎児へのリスクをそれぞれまとめました。
上記に加え、日本産婦人科学会が双子の約42%、三つ子の約75%が早産だったと発表していることからも、多胎妊娠が危険であることがわかります。
不妊治療による多胎妊娠のリスクは、体外受精時に子宮に戻す胚の数をコントロールすることで、ある程度予防することができます。
2017年現在、日本を含む先進国の多くでは原則として子宮に戻す胚の数は1個になるように指示されていて、この単一胚移植が実施されてから多胎妊娠は減っているといわれます。
しかし、体外受精した胚の移植を1つだけにしたからといって、多胎妊娠のリスクがゼロになるわけではありません。
明確な理由は解明されていませんが、自然妊娠に比べ、体外受精を受けて1つだけ胚を移植した人の方が、一卵性双生児の発生率が高いことがわかっています。
つまり、単一胚移植を徹底したとしても、不妊治療による妊娠の場合は一卵性の双生児が生まれやすい理由があるため、多胎妊娠のリスク自体はのこることになるのです。
不妊治療を検討しているなら、このことはしっかりと理解しておきましょう。
不妊治療を検討している人が理解しておくべき代表的なリスクとして、双子や三つ子以上の赤ちゃんを妊娠する多胎妊娠が挙げられます。多胎妊娠は一見喜ばしいこととも感じられますが、母体や胎児の健康状態にリスクを伴うものです。近年では不妊治療での多胎妊娠を避けるべく、単一胚移植が推奨されていますが、不妊治療では自然妊娠よりどうしても多胎妊娠の可能性が高くなりますので、しっかり理解しておいてください。
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