記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/9/5
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「血管年齢」とは、文字通り血管自体の年齢のことですが、肌や髪のハリ、美しさなど、見た目にも影響していることをご存知でしょうか。以降では血管年齢と見た目のアンチエイジングの関連性を中心に解説します。
血管年齢とは、実年齢とは別の、血管のしなやかさ・硬さを基準とした血管自体の年齢のことです。血管の老化、つまりは「動脈硬化」(血管が硬くなること)の指標にもなります。
血管年齢は血管そのものの年齢を示す数値ではありますが、実は見た目の老化とも比例しており、血管年齢が若い人は見た目も若く見えるということがわかっています。
一般的に、血管年齢が高くなり動脈硬化の状態になると、心筋梗塞や脳梗塞、狭心症などさまざまな病気の発症リスクが上がることが知られています。しかしその他にも、血管が老化すると血液や酸素、栄養を各臓器や細胞にスムーズに送れなくなるために、細胞が衰弱して肌にシミやシワができやすくなったり、髪にハリがなくなったりと外見上の影響も出てくるようになるのです。
血管というと動脈などの太い血管をイメージされる方も多いですが、全身の血管の99%を占めるのは、直径約0.01mmほどの「毛細血管」です。毛細血管は日々、全身のすみずみまで酸素や栄養を送り届けています。
実はこの毛細血管は、加齢とともに減少していくことがわかっており、毛細血管が減少すると皮膚の線維組織に酸素や栄養が届かなくなるために、シミやシワ、たるみ、くすみなど肌のトラブルが起こるようになると考えられています。また、頭皮も皮膚の一部のため、毛細血管の劣化によって血流が悪化すると、毛母細胞に栄養が届かなくなるために髪のぱさつきや白髪、抜け毛なども出てくるようになります。
血管年齢は加齢だけでなく、食生活の乱れや運動不足、睡眠不足といった要因によっても老化が促進されます。特にコレステロールは血管老化の原因物質で、血管内の傷にコレステロールなどが付着してできる「プラーク」は、動脈硬化の主要因のひとつでもあります。
日頃から脂っこいものを好んで食べているなど、コレステロールを過剰摂取している人は食習慣を改め、青魚や野菜、大豆製品など血管の保護に良い食べ物を中心にした食事に切り替えましょう。有酸素運動やストレッチなどの運動習慣も、血管を拡張し、血管のしなやかさにつながるので大切です。
また、先述の毛細血管は、生活習慣の改善によって何歳からでも増やすことができます。毛細血管を増やすには、毛細血管への血流をよくすることと、血流自体を増やすことが必要なので、適度な睡眠をとったり、ふくらはぎの筋トレで血流を促進したり、血流をよくする生姜などの食べ物を摂取することが大切です。
体内の血管は目には見えませんが、血管は体のすみずみに栄養や酸素を届けるものだからこそ、肌や髪など見た目にも影響を与えています。血管年齢や毛細血管は生活習慣を改善すれば若返りが見込めるので、ぜひこの機会に食事内容や運動量などを見直してみてください。
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