はしかの初期症状って風邪と似てるの?進行するとどう変わる?

2018/9/12

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

はしかの症状は風邪と似ているというのは本当なのでしょうか?また、病気が進行するとどのように症状が変化するのでしょうか?はしかの症状や予防方法について解説していきます。

はしかの初期症状は?

はしかとは麻疹ウイルスに感染した後、10~12日間の潜伏期間をおいて発症する感染症です。
初期の状態では発熱や咳などが起こり、その後2~4日間ほどは38℃前後の高熱が続きます。また、倦怠感(小児では不機嫌が起こる)、上気道炎症状(咳、鼻水、くしゃみなど)、結膜炎症状(結膜充血、めやに、光をまぶしく感じるなど)などの症状が見られ、徐々に強くなっていきます。乳幼児には下痢や腹痛が起こることもあります。

このような上気道炎症状や結膜炎が現れる時期を、カタル期または前駆期と呼びます。

発疹が出現する1~2日前頃に頬粘膜に見られる1mmほどの小さな白色の斑点は、コプリック斑というもので、発疹が出現してから2日を経過するまでには消失するとされています。
またその他の症状として、口腔粘膜の発赤や口蓋部の粘膜疹が起こることがあり、それに伴って溢血斑が見られることもあります。

はしかが進行すると、症状はどう変わる?

発疹期

倦怠感や上気道症状などを伴うカタル期を終えた後、体温が1℃程度下がる時期がありますが、その後半日を経過する頃には39℃の高熱に伴い発疹が現れ、発疹が全身に広がるまでその高熱が持続します。発疹は耳後部、頚部、前額部から広がっていき、2日後には四肢末端まで達します。

また、発疹の状態は鮮紅色扁平からしだいに皮膚面の隆起が見られ、融合することで不整形斑状(斑丘疹)に至ります。その後、暗赤色となった不整形斑点は出現した順序に従い脱色していきますが、この時期は高熱の持続や強いカタル症状が起こるとされています。

回復期

発疹の出現に伴い3~4日間持続した高熱は下がり、全身状態の回復やカタル症状の軽快が見られます。発疹は黒ずんだ色素沈着となってその後しばらく残りますが、合併症が起こらない限り、7~10日後には主症状は回復していくとされています。

ただし、免疫力低下(リンパ球機能の低下など)に伴い、他の感染症にかかると重症化しやすく、また体力が通常通りに回復するまでには1ヶ月ほどかかるとされているため、しばらくの間は注意が必要です。

はしかかも・・・と思ったらすぐ病院へ行っていい?

麻疹ウイルスは非常に感染力が強く、接触、飛沫、空気など様々な経路で感染するため、感染者は他の人にうつさないようにする必要があります。

とくに、これまで一度も予防接種を受けたことのない人や、1歳未満の子供との接触には特に注意しましょう。
外出はなるべく避け、医療機関を受診する時には、事前に電話で受診方法を確認するようにしてください。場合によっては、感染者は車内で待機する必要があることもあります。

また、麻疹ウイルスは、空中に漂っている飛沫核を吸入することによって感染するため、マスクで予防することはできません。
麻疹ウイルスの予防を行う上で唯一有効とされているのはワクチンのため、ワクチンの接種をして免疫を獲得することが重要となります。

予防接種ではしかを予防しよう!

定期接種が積極的に推奨されている年齢は、1歳児や小学校に入学する1年前の幼児ですが、その時期に該当しない場合でも、過去に麻疹の既住歴がなく、ワクチンを一度も接種したことのない人は、医療機関に相談しましょう。

一般的には、平成2年4月2日以降に出生した人は、麻疹含有ワクチンの定期接種を2回受けることになりますが、それ以前に出生した人はワクチンの接種回数は1回になることが多いとされています。
ただし、麻疹に感染するリスクが高いと考えられる医療従事者や学校関係者、保育福祉関係者、麻疹の流行している国に渡航する人などで、2回目の予防接種を希望する場合は、医師に相談してみましょう。

なお、ワクチンのうちMRワクチンには、麻疹に対して単独ワクチンと同様の効果が認められており、麻疹ワクチンの替わりとしてMRワクチンを接種しても健康への影響はなく、風疹に対する予防効果も期待できます。

ただし、妊娠中の女性に対しては生ワクチンと呼ばれる種類の接種ができないとされているため、生ワクチンに該当するMRワクチンの接種も受けることができません。
また、現在妊娠をしていない女性の場合でも、接種してから2ヶ月ほどの間は避妊をする必要があります。その他の麻疹の単独ワクチン、風疹の単独ワクチンの場合も同様に、妊娠中の接種や、接種後2ヶ月程度の妊娠は避けるように、注意する必要があります。

おわりに:予防接種ではしかを予防しよう

麻疹ウイルスは非常に感染力が強く、接触、飛沫、空気など様々な経路で感染するため、感染者は他の人にうつさないようにすることが重要となります。麻疹ウイルスの予防を行う上で唯一有効とされているのはワクチンで、接種をして免疫を獲得することが大切です。定期接種が推奨される年齢の人はもちろんですが、過去に麻疹の既住歴がなく、ワクチンを一度も接種したことのない人も、一度医療機関に相談しましょう。

この記事に含まれるキーワード

初期症状(27) 風邪(97) 発疹(39) 高熱(43) 麻疹(10) はしか(12) 結膜炎(13) 倦怠感(26) 麻疹ワクチン(3) MRワクチン(2)