朝の筋トレにはどんなメリットがある?取り組むコツは?

2018/11/22 記事改定日: 2019/8/21
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

筋トレは筋肉を動かすことで、筋力だけでなく全身の血流改善効果もあると言われています。筋トレというと、夜寝る前に行う人が多いイメージがありますが、実は朝の筋トレも体に良いとされます。この記事では、寝起きの筋トレに期待できる効果や注意点、朝におすすめのトレーニングをご紹介します。

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朝の筋トレで得られるメリットは?

朝、まだ心身が完全に目覚めていない状態には、以下の効果が期待できます。

  • 自律神経の働きが「リラックスモード」から「覚醒モード」へ切り替わる
  • 体温や血圧が上昇しやすくなり、身体が活動的な状態になる
  • 1日活動するための準備運動となり、スムーズに動けるようになる

人間には、心臓の動きや呼吸の維持など、生命活動に欠かせない働きをコントロールする「自律神経」があります。自律神経には、心身がリラックスした状態を作る「副交感神経」と緊張した状態を作る「交感神経」の2つがあり、睡眠中と寝起き直後には副交感神経が優位になっています。

寝起きの筋トレには、副交感神経優位の状態にある朝の自律神経を交感神経優位の状態にスムーズに切り替え、自律神経と体のリズムを整える効果が期待できるのです。

ただし、急な血流増加を招く寝起きの激しい運動・トレーニングは、心臓や血管への負担やケガのリスク増大を招くため、おすすめできません。体を温める程度の軽い内容にとどめましょう。

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朝の筋トレで気をつける2つのポイントとは?

ポイントその1:必要な水分・エネルギーは筋トレ前に補給する

目覚めたばかりの体は水分が不足し、血液がドロドロした状態になりやすいといわれています。また、筋肉を動かすためのエネルギーも不足した状態のため、何も口に入れずいきなり筋トレを始めるのは筋肉の疲弊を招くため逆効果です。

朝の筋トレを始める前に、最低でもコップ1杯の水またはスポーツドリンクなどを飲み、バナナやゼリー飲料などで少量のエネルギーも補給しましょう。

ポイントその2:必ずウォーミングアップしてから筋トレを始める

目覚めたばかりの体は体温が低く、筋肉も凝り固まった状態です。筋肉・心臓・血管への過負荷や、ケガをするリスクを避けるためにも、朝の筋トレは必ず軽いストレッチや有酸素運動などのウォーミングアップをしてから開始してください。これにより体温が上昇し、筋肉もほぐれて筋トレしやすい状態になります。

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寝起きにおすすめの筋トレは?

ここからは、寝起きに程よい負荷レベルのおすすめ筋トレを3つ、ご紹介します。

上半身の体幹が目覚める!上体起こしトレーニング

  1. まず、肩幅程度に開いた両膝を立てた状態で仰向けに寝る。両腕をまっすぐ天井に向かって突き出した姿勢を取る
  2. そのまま、指先で太ももやひざに触れるつもりでゆっくりと上体を起こしていき、上がりきったところで1秒間キープ。その後、ゆっくり仰向けの姿勢に戻る

上記一連の動きを1回とし、10回1セットで行うのが理想的ですが、体力的に厳しい場合は回数を減らしたり、肩が床から離れる程度の上体の起こし方から始めてみてください。

ふくらはぎの血流を改善!かかと上げトレーニング

  1. 背もたれのある椅子から30cmほど後ろに立つ。足は肩幅に広げて背筋を伸ばし、椅子の背を軽く持つ
  2. この姿勢のまま両足のかかとを4秒かけて上げ、上がりきった状態で2秒間キープ、また4秒かけてゆっくりとかかとを下ろしていく

かかとを上げて着地させるまでを1回とし、足元が温かくなるまで行ってみましょう。

太もも・お尻の筋肉を動かす!足上げトレーニング

  1. 背もたれのある椅子の後ろ側に立つ。背筋をまっすぐ伸ばし、背もたれを持つ。このとき、足はつま先をそろえた状態でよい
  2. 背筋からかかとまでまっすぐに伸びた状態のまま、かかとから足を後ろに引く。腰が反らず、体に無理のない高さまで足を持ち上げたら、1秒間キープする
  3. ゆっくりと足を戻し、かかとを着地させるまでを1回として、左右10回ずつ行います。

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おわりに:寝起きの軽めの筋トレは、心身のスムーズな目覚めに効果的

  • 朝の筋トレには、人間の活動をコントロールする自律神経を交感神経優位の状態に切り替える効果が期待できる
  • ただし、過負荷な内容や筋トレを水分・エネルギーを摂取せずに行うと、筋肉の疲弊やケガを招くリスクがある
  • 体がじんわり温かくなる程度の軽い負荷で、その日の体調にあわせて行うとよい

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