記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/28 記事改定日: 2018/9/12
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
胃がきりきりする、常にしくしくして重い、空腹になると胃が痛い……、胃痛はとても身近でツラい症状です。
胃痛はどんなことが原因で起こるのか、 どうしたら胃痛を起こさなくなるのかをまとめてみました。胃痛は誰にでも起こり得るものです。もしものときのために参考にしてください。
胃痛は胃酸の過剰分泌によって引き起こされます。
胃の壁からは、送り込まれた食べ物を消化するための「胃酸」が分泌されます。胃酸は非常に酸性度が高い液体であり、胃の壁は胃酸によるダメージを受けないように粘液が分泌されています。しかし、この胃酸と粘液の分泌バランスが乱れ、胃酸が過剰に分泌した状態になると胃の壁が酸性の胃酸によってダメージを受け、胃痛を引き起こすのです。
また、胃の運動は自律神経によって調節されています。自律神経のバランスが乱れると、胃が過剰に運動をすることがあり、けいれんのような痛みを生じることもあります。
胃痛には様々な原因がありますが、軽度なもので、胃潰瘍や胃がんなどの深刻な病気が原因でない場合には、市販薬の服用や食事に注意することである程度は症状を緩和することができます。
現在では胃痛に効く様々な市販薬が販売されています。
いわゆる「胃薬」は胃痛に効果がありますが、胃痛の原因によって選ぶべきタイプが異なります。胃酸の過剰分泌による胃痛の場合には、胃酸分泌を抑えるガスター®10や太田胃散、アシノン®Zなどがおすすめです。また、胃酸を中和する作用のあるパンシロン®などもよいですが、効果は一時的であるため、食後のみに胃痛が生じる人におすすめです。
さらに、胃の異常運動によって胃痛が生じている場合には、胃の運動を抑える作用のあるブスコパン®などがおすすめです。
胃痛が生じているときには、お粥や野菜スープなど消化の良いものを食べるとよいです。また、油分の多い食事は消化に時間がかかるため、胃酸分泌が増加しますので控えた方が無難でしょう。
胃痛があるときには、食事の内容だけでなく摂り方にも注意が必要です。一度に多量の食事を摂ると、胃酸が過剰に分泌される原因となりますので、三食分を五回に分けて食べるのもいいでしょう。
胃痛は軽度であれば、セルフケアで症状の改善が期待できます。しかし、中には胃潰瘍や胃がんなどの重篤な病気が隠されている可能性もあるので注意しましょう。
市販薬の服用や食事の改善を行っても一か月以上胃痛が続く場合や、食欲がなく体重が落ちているような場合には病院で診察を受けることをおすすめします。
また、胃痛は進行すると胃や十二指腸からの出血を引き起こし、さらには壁に穴が開くこともあります。めまいや立ちくらみ、息切れ、動悸などの貧血症状や黒っぽい便が出るようになったら速やかに病院を受診しましょう。
ここでは、胃の痛みを起こす上記の病気の原因を解説します。
暴飲暴食や飲みすぎ、辛いものなど刺激物の摂りすぎ、ストレス、薬品の誤飲等が原因となります。胃粘膜が傷つき、炎症を起して発症します。風邪などのウイルス感染により起こることもあります。また、食物アレルギー反応としても現れる可能性もあります。
主な原因に、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の慢性的な持続感染があるという考え方がされています。ヘリコバクター・ピロリは胃酸が分泌される胃の中の環境でも生存し、増殖する細菌です。胃粘膜に炎症を起こし、粘膜を傷害し、潰瘍を作ります。慢性消化性潰瘍の再発の大きな原因と考えられるようになりました。
近年は、ヘリコバクター・ピロリが原因の一つとして重要視されています。他に、鎮痛薬(非ステロイド系消炎鎮痛薬)の長期の服用も大きな原因となります。
間接的な原因には、喫煙、ストレス、飲酒、過労などもあります。
胃痛の多くは一時的なものですが、病気が原因で起こっていることも少なくありません。初めて胃痛が起こったとき、いつもと違う胃痛のとき、長い期間胃痛が続いているときは、早めに病院を受診してください。
とくに問題がない胃痛とわかったら、必要に応じて薬も使いながらお腹にやさしい食事を心がけ、回復を待ちましょう。
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