動脈硬化とは、何が危険でどう治せばいいか、わかりやすく解説します!

2017/8/25 記事改定日: 2018/9/10
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

動脈硬化とは動脈の壁が硬くなることですが、なぜこのような状態になってしまうのでしょうか。治療や予防はできるのでしょうか。
この記事では、動脈硬化とはどのような病気かをわかりやすくまとめて解説しています。

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動脈硬化とは、簡単に言うとどういう状態?

動脈硬化とは、動脈(心臓から送り出される血液を全身に運ぶ血管)が硬くなり、弾力性が失われたり、内側にプラーク(血管の内側にこびりついた悪玉コレステロールの塊)や血栓が生じて血管が詰まりやすくなった状態のことです。

簡単に言うと、動脈の壁が硬くなってしなやかさがなくなってしまい、血液が流れにくくなってしまう状態になります。
動脈硬化になると、血液の流れが悪くなって血管の一部に強い負荷がかかるようになるのことで、さまざまな病気のリスクが高まります。

動脈硬化が起きる原因

動脈硬化の主な原因は、喫煙・コレステロール・高血圧・肥満・運動不足などの生活習慣によるものと加齢による動脈の老化です。特に喫煙習慣は血液の壁を損傷させ、血管をぼろぼろにし、血栓ができやすい状態を招くといわれています。

また、メタボリックシンドロームも動脈硬化を引き起こす主な原因のひとつです。メタボリックシンドロームとは内臓脂肪型肥満およびそれに伴ってさまざまな生活習慣病を合併した症候群のことですが、内臓脂肪が溜まると善玉コレステロールが減少し、動脈硬化が進行しやすくなってしまうといわれています。

動脈硬化になると発症しやすくなる病気は

動脈硬化はさまざまな病気を引き起こす可能性があります。例えば「アテローム性動脈硬化」の場合、血管にプラークが蓄積したり血栓ができたりしたことで血管が詰まっているため、心臓に負担がかかり、狭心症や心筋梗塞脳梗塞などを引き起こしやすくなっています。

動脈硬化の診断・治療法

動脈硬化の診断や治療法について、以下で詳しく解説していきます。

検査・診断方法

以下の診察や検査を通じて、リスク要因の数や合併症の兆候の有無を把握し、動脈硬化かどうか診断していきます。

問診
現在の健康状態や生活習慣(食生活や運動習慣、喫煙習慣の有無など)、家族の病歴を尋ねます。
血液検査
血中コレステロールや中性脂肪の量などを測定します。
血圧測定
高血圧かどうかをチェックします。
心電図検査
X線検査
超音波検査
心臓の動きや血流のスピード、プラークや血栓の有無などを調べます。

治療方法

動脈硬化の治療においては、生活習慣の改善が欠かせません。これまでお伝えしてきたとおり、動脈硬化を引き起こす主な原因は喫煙、高血圧、肥満などの生活習慣によるものです。栄養バランスのとれた健康的な食事と定期的な運動を心がけ、喫煙習慣のある方はなるべく早く禁煙を始めてください。

生活習慣の改善だけでは症状の改善が見込めない場合は、薬物療法が行われます。処方される薬は、脂質代謝改善薬や抗血小板薬、血管拡張剤などが一般的です。

動脈硬化を予防する方法はある?

動脈硬化は生活習慣病の一つであり、予防するには生活習慣を改善することが大切です。
動脈硬化を引き起こす主な原因は、高脂肪・高塩分・高糖分・高カロリーなどの食生活とそれに伴う肥満や高血圧、糖尿病などです。このため、これらを防ぐには適正カロリーを守ったバランスの良い食生活と適度な運動習慣が必要となります。また、喫煙や過度な飲酒も動脈硬化を引き起こすことが知られており、禁煙や節酒も必要です。
これらの生活習慣を改めつつ、適切なストレスケアや睡眠・休養をしっかりとって無理のない生活を送るようにしましょう。

おわりに:薬だけでなく、食事や運動も見直して、症状を改善しよう

動脈硬化は、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす恐れのある危険な状態ですが、生活習慣の乱れを改善することで症状の改善が期待できます。処方された薬を飲むことも大切ですが、日頃からの食生活や運動習慣などを見直し、根本的に治療・予防していきましょう。

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