記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/8/30
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
血管の老化度や、動脈硬化の進行度の指標となる「血管年齢」。この血管年齢は年を重ねるごとに上がってしまうものですが、食べ物で若返る可能性があるともいわれています。この記事では、血管年齢を若返らせる有効な食べ物などを解説します。
加齢とともに骨や筋肉が衰えるように、血管も老化していきます。ただ、実は食事を工夫すれば血管年齢が若返る可能性があることがわかっています。
血管は、血管を保護する「外膜」、血管への圧力を調整する「中膜」、血液に直接触れる「内膜」の三層構造でできています。このうち、内膜には血液をサラサラに保ったり、有害物質を血管壁に侵入しにくくしたりする「内皮細胞」が存在しています。内皮細胞は食生活の改善によって機能が回復するため、血管年齢の若返りにもつながると考えられています。
以下に、血管年齢の若返りに有効とされる食べ物をいくつかご紹介します。
サバやアジなどの青魚に含まれる良質なタンパク質は、内皮細胞の新陳代謝を促進させる効果があるといわれています。また青魚は、血管をやわらかくしなやかに保ち、動脈硬化(血管が硬くなること)を予防するDHAやEPAなどの脂肪酸も豊富に含んでいます。この点からも、血管の老化を防ぐ効果が見込めます。
亜麻仁油やエゴマ油などに含まれるオメガ3脂肪酸は、血管壁にくっついた悪玉コレステロールを除去し、血管を保護する作用があることから、血管の若返りにつながる油と考えられています。
ブロッコリースプラウトにはスルフォラファンという抗酸化作用のある栄養素が豊富に含まれており、動脈硬化を引き起こす活性酸素を除去する効果があると言われています。
納豆などの大豆製品には、大豆イソフラボンなど抗酸化作用のある成分が含まれているため、ブロッコリースプラウトと同様、血管を保護する効果があると考えられています。
ブルーチーズに含まれる成分のラクトトリペプチドは、血管の柔軟性を回復させ、血管をしなやかに保つ効果があると言われています。
トマトは、血管を強化するビタミンCと、血行を促進させるビタミンE、さらに強い抗酸化作用をもつリコピンも含んでいるため、血管の保護や若返りの効果が高い野菜と考えられています。
血管の内皮細胞からは一酸化窒素が放出されています。この一酸化窒素は血管を拡張させ、しなやかにし、動脈硬化を予防する効果があります。一酸化窒素は血管が拡張することによっても放出されるため、生姜や唐辛子などの血行をよくする食べ物でもその量を増やす効果が得られると考えられています。
血管年齢が若返る食べ物をたくさん食べていても、血管に負担となる食べ物も同時に食べ続けていたのでは意味がありません。ケーキや生クリーム、肉の脂身、魚卵など、コレステロールを上昇させる食べ物はできるだけ控えましょう。
また、塩分のとりすぎも要注意です。塩分を過剰摂取すると血圧が上がり、内皮細胞の機能が低下したり、血管そのものが傷んだりします。ハムなどの加工肉や味噌汁、ドレッシングなどの調味料を過剰摂取しないよう心がけましょう。
血管年齢を若返らせる効果が見込める食べ物には、さまざまな種類があります。どれもスーパーなどで簡単に購入できるものばかりですので、日々の献立に取り入れてみてください。
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