耳せつ(限局性外耳炎)ってどんな外耳炎?予防する方法はあるの?

2018/1/24 記事改定日: 2019/1/17
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三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

耳せつとは、限局性外耳炎という外耳炎の一種であり、耳の穴に膿が溜まった塊ができてしまう病気です。
この記事は、耳せつの原因や特徴、治療法について解説しています。プールや海に行く機会が多い人は発症しやすいといわれているので、この記事を参考にしてください。

耳せつ(じせつ)はどんな病気?

耳せつ(じせつ)とは、耳の中の外耳道(がいじどう)が炎症を起こし、「せつ」と呼ばれる膿のかたまりができてしまう病気です。主な症状は耳の痛みで、通常の外耳炎よりも強い痛みを伴うのが特徴です。

外耳道は耳の入り口から鼓膜までの道、つまり耳の穴の中のことで、外側3分の1は軟骨から、残りの3分の2は骨からできた組織です。

耳せつは、この外耳道のなかでも耳の入り口付近に発症することが多いですが、まれに鼓膜に近い外耳道の内側にせつができることもあります。
痛みはせつの位置が耳の奥であればあるほど強く、炎症が進んで重症化すると、頭痛などの症状を引き起こすこともあります。

耳せつの原因とは?

耳せつの原因の大半は、爪や耳かきによって耳の中に外耳道に傷ができ、そこからブドウ球菌などの細菌に感染したことによる外耳炎です。

とくに耳が濡れる機会の増える夏季に多く発症する傾向があるとされていますが、これは傷ができやすい耳が濡れている状態で爪や耳かきをすることが原因ではないかと考えられています。

耳が濡れると痒くなって耳かきをしたくなりますが、一般の人による耳かきは、耳垢を逆に耳の奥に押し込んでしまったり、外耳道を傷つけて外耳道炎を引き起こす原因になることがあるのです。

通常、耳垢は放っておいても体外に排出される仕組みになっていて、年に2~3回耳鼻科で耳掃除をしてもらえれば問題ないといわれています。

耳せつの原因となる外耳道炎を避けるためには、耳かきはプールや海で耳が濡れる1週間前までに耳鼻科で行い、自分でしないようにしましょう。

耳せつの治療法

耳せつは、外耳道内のせつがつぶれて膿がすべて出てしまえば治るため、炎症を抑えてせつを自潰(じかい:自然にやぶれること)させるための治療が行われます。

基本的には患部に対する投薬治療がメインで行われ、せつの炎症をおさえるための抗生物質や副腎皮質ステロイド薬を塗布したり、酢酸と副腎皮質ステロイドが入った点耳薬を使用します。

ほかにも、圧迫してせつをつぶす目的で耳に綿を詰めたり、痛みの症状がひどい場合には鎮痛薬や抗生物質などの飲み薬を処方される場合もあります。

また、せつの炎症を抑えるには外耳道が乾燥した状態でなければいけないため、治療中は外耳道を乾燥した状態に保つため、水泳を控えたり、入浴時にキャップをつけるなどの対策も指示されるでしょう。

耳せつを予防するにはどうすればいい?

耳せつを防ぐには、耳の中を清潔に保つことが重要です。特に、水泳をする機会の多い人は発症しやすいですので注意しましょう。

日常生活では、こまめに耳垢を除去し、定期的に耳鼻科で耳の中のクリーニングを行うのがよいでしょう。ただし、過度な耳掃除は外耳道を傷つけ、かえって耳せつができやすくなることがあります。耳掃除の際は先端が柔らかい綿棒などを用いて、そっとやさしく外耳道を撫でるようにふき取るのがポイントです。

また、耳せつは耳の入り口にできやすいため、入浴後や水泳後など耳の中が濡れている場合には、タオルで入り口付近をふき取るものよいでしょう。

おわりに:原因を知って普段から意識しておけば、耳せつは予防できる

耳の激しい痛みを伴う耳せつは、日常生活での癖や習慣を改めることで、予防できるといわれています。
万が一発症したとしても、耳鼻科で適切な治療を受ければ、1週間ほどで回復できる病気です。この記事で原因と症状理解し、予防に役立てましょう。そして思い当たる症状がある場合は、すぐに耳鼻科を受診してください。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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