記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/9/8 記事改定日: 2019/10/11
記事改定回数:2回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
膵炎を引き起こす原因のほとんどがアルコール飲料や脂質の多い食事といわれています。
そのため、膵炎の再発を防ぐには食事の改善が必要です。
この記事で膵炎再発や慢性化を防ぐ食事改善法を見ていきましょう。
膵炎は一度発症すると、症状が治まった後も再発を繰り返すことがあります。
再発時には、初発時と同じく上腹部痛、発熱、吐き気、嘔吐、倦怠感などの症状が現れます。これらの症状が現れた場合はひどくなる前に病院を受診するようにしましょう。
また、膵炎の多くはお酒の飲みすぎや脂肪分の多い食事の摂りすぎによって発症・再発します。
膵炎を発症したことがある人は、再発を予防するためにも食生活には十分注意し、特にアルコールは控えるようにしましょう。
膵炎は再発を繰り返すと慢性化して膵がんに移行することもあるので、治った後も再発予防に努めることが大切なのです。
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膵炎は膵臓には急性膵炎と慢性膵炎の2つがありますが、どちらもアルコールと脂肪分の多い食事が主な原因となっていると考えられています(外傷によるもの、原因不明のものもある)。
多量の飲酒が習慣化していると、膵炎を発症するリスクが非常に高くなります。
日本酒なら3合、焼酎なら2合、ビールなら中ビン3本以上を毎日のように飲んでいる人は膵炎の再発リスクが高まります。お酒の量を見直しましょう。
また、膵炎発症中の場合は、悪化を防ぐために膵臓が大量に消化液(膵液)を出すような食事内容を避ける必要があります。
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上記で述べたように、膵炎の予防には膵液をコントロールすることが重要なので、膵炎の既往歴がある人は膵液が多量に分泌されるような食べ物や飲み物は控えましょう。
特にアルコールと脂肪分の多い食事の消化には消化酵素たくさんが必要になるため、摂取を制限しなければなりません。
また、体質や医師の指導によりますが、膵臓細胞の修復を助けてくれるタンパク質は極端に制限しないほうが良いでしょう。
ただし、膵臓への負担を減らすために脂質の少ない大豆、豆腐、魚などの食品から選ぶようにしてください。
ここでは膵炎の治療中に食べてよいものと悪いものを具体的に紹介します。
治療期間の食事管理に役立ててください。
上記のような、脂質が少なく消化の良い食品がおすすめです。
また、調理をするときには、味の濃い調味料や香辛料など刺激物は極力減らすようにしましょう。
甘いものが食べたくなったときには果物がおすすめですが、果糖を摂りすぎてしまわないように食べすぎには注意してください。
なかでも。アルコールは膵炎を悪化させる可能性が最も高いので、治療中にはお酒を飲まないことが重要です。「少量なら大丈夫」などと考えずに、まずは弱った膵臓をしっかり回復させましょう。
膵炎は不適切な食生活を続けることで再発のリスクが高くなります。脂肪分や糖分を控え、和食を中心としたバランスの取れた食生活を心がけましょう。ここでは、膵炎の再発予防によいおすすめレシピを3つご紹介します。
食事制限中でもがっつりお肉を食べたい!というときにおすすめのメニューです。牛肉は赤身を使用すると脂肪分を抑えることができますよ。
牛肉の赤身切り落としは熱湯に入れてしっかりと茹でます。キュウリやトマト、キャベツなどお好みの野菜を適当な大きさに切り、お皿に並べ、その上に茹でた牛肉を載せます。
タレはお好みのものを使用してよいですが、ポン酢や減塩和風ドレッシングなどさっぱりしたものがおすすめです。
お腹いっぱい食べたパスタも油を使用しなければ膵炎の再発リスクを抑えることができます。たっぷりのほうれん草でおいしくいただきましょう。
ほうれん草は適量をしっかり茹でて柔らかくし、すりつぶします。そこにだし汁や胡麻を加えてお好みで味付けし、茹でたパスタを絡めたら完成です。滑らかさが物足りないときは、少量の牛乳を加えてもいいでしょう。
食事制限中でもおいしいスイーツが食べたい!という人も多いでしょう。脂肪分の多いバターや生クリームを使用しなければ、スイーツをいただくこともできます。
砂糖とココアパウダー、卵黄を豆乳に入れ、しっかり混ぜます。お好みで菜種油を少量加えてもOK。どろどろの状態にします。残った卵白を泡立ててメレンゲ状にし、小麦粉(150g)を投入してざっくり混ぜ合わせます。
どろどろの状態にしたココアパウダーなどを混ぜ合わせた液体を投入し、よく混ぜ合わせます。
ケーキ型に入れ、200度のオーブンで20~30分焼いたら完成です。
膵臓は一度その機能に不具合が生じると修復が非常に難しいです。
また、膵炎を繰り返して膵臓の状態が悪化すると、インスリンの分泌量が減ることによる「膵性糖尿病」や膵臓癌を発症する危険性が高くなります。
そのため、膵炎再発の予防は食事療法によってそれ以上の進行を防ぐことがメインとなっているのです。
再発防止のために長期的なスパンで食事療法に取り組んでいきましょう。
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