更年期に血圧を下げるにはどうすればいいの?

2018/6/5

前田 裕斗 先生

記事監修医師

前田 裕斗 先生

更年期に差し掛かってくると、高血圧に悩まされることも少なくありません。では、更年期の血圧を下げるにはどうすればいいのでしょうか。おすすめの方法について、更年期に血圧が上がる理由と併せて解説します。

更年期の血圧を下げる方法は?

更年期の血圧を下げる改善策の一環として、まず、血圧を毎日測定して記録しましょう。朝の起床後のトイレと朝食の間、夜の就寝前(入浴直後以外)の1日2回、同じ時間に測定してそれを記録することで、血圧の変動を把握します。

また「食生活を見直す」ことも重要です。高血圧の成人女性の塩分摂取目標値は6g/日未満です。塩分、肉類やアルコールのとり過ぎに気をつけ、大豆や魚、野菜、ビタミンA・C・E、カリウム、食物繊維の多い食品をとって肥満の解消を心がけましょう。醤油はかけずにつけたりポン酢に変える、麺類の汁は残すことなどがコツです。また、喫煙は血圧に大きく影響するのでやめるようにしましょう。

毎日合計30分以上の適度な運動」も大切です。少し早足の汗ばむ程度の歩行、自転車の利用、階段の昇降などは比較的取組みやすいでしょう。

ストレスを溜めない」ように、入浴やマッサージなどで気分をリラックスさせることも良く、腹式呼吸も効果があります。「睡眠不足に気をつける」ようにし、6時間以上の睡眠を心がけましょう。

更年期の血圧が乱高下するのはなぜ?

女性は「エストロゲン」という血管を拡張させる働きのある女性ホルモンの分泌により、若い頃は男性に比べ血圧が低くなっています。しかし、40代になってエストロゲンが減少し始めると血管の柔軟性が低下し、血圧も上がっていきます。特にエストロゲンが激減する更年期には、自律神経の働きが乱れ血圧が乱高下することも珍しくありません。

更年期の高血圧には、「血圧が不安定で変動しやすい」「1日のうちに乱高下を繰り返す」といった特徴があります。その背景には、更年期特有の不安やストレスがあります。めまいや動悸による不安感、イライラによるストレス、子供の就職や独立、親の介護といった環境の変化などが重なって血圧が上がり、さらに不安やストレスが増すという悪循環を起こしやすくなります。

更年期の高血圧は、一時的な上昇ですむ場合もありますが、放っておくと慢性的な高血圧の原因となり、重大な病気につながってしまう可能性もあります。血圧が不安定、変動しやすいという場合には、早めに受診するようにしましょう。

更年期の高血圧とホットフラッシュは関連している?

更年期の「ホットフラッシュ」は、何の兆候もなく発症するほてりやのぼせ、発汗が代表的な症状で、動悸、息切れ、寝汗、喉の渇きなども起こります。原因は、卵巣機能の低下による女性ホルモンの減少、それにともなう自律神経の乱れです。

自律神経には、活動や緊張、興奮などをつかさどる「交感神経」と、休息や安定、鎮静をつかさどる「副交感神経」があります。ホルモンバランスが乱れると、交感神経が優位な状態が続いて血圧や血流が上昇するともに体温も上がり、ホットフラッシュが発生します。

最近の研究では、ホットフラッシュのある人はそうでない人より血圧が高い傾向にあり、特に喫煙者に顕著であるとされています。また、ホットフラッシュに悩む人は血圧も乱高下していることが多いともいわれています。症状の重さや頻度、症状が出た時の持続時間には個人差がありますが、重度の場合にはうつ病を招く可能性もあります。たかが発汗やほてりと思わず、婦人科のある病院に受診しましょう。

更年期の高血圧で動悸やめまいもするの?

更年期の高血圧は、めまいや動悸、頭痛、不安感などを併発する場合が多くあります。そのような場合、症状の程度によって、高血圧症は内科や循環器科、めまいや動悸、ほてりなどの更年期障害は婦人科、不安感や自律神経失調症などは神経科や心療内科など、別々の病院や診療科にかかることも少なくありません。

しかし、そうすると薬や治療法によっては、副作用などの影響で高血圧への治療効果が上がりにくくなってしまうことがあります。また、高血圧の悪化には精神的な要素も大きいため、人によっては抗不安薬などが効果的というような場合もあります。

複数の病院や診療科にかかるときには、それぞれの医師に別に診療を受けていることや使用している薬などを伝え、どちらの治療を優先するか、どのような治療法を選択するかなどについて話し合っておくことが大切です。いくつかの強い症状が重なっている場合には、医師同士で連携して治療にあたってもらうようにしましょう。

おわりに:減塩、運動、ストレス対処と睡眠が大切。症状がつらいなら早めに受診を

更年期の高血圧はホルモンバランスの変化によって起こりますが、自律神経の乱れから血圧が乱高下したりホットフラッシュが起こることも多くあります。日頃から自分の血圧を管理し、減塩、適度な運動、ストレスへの対処、十分な睡眠を心がけ、症状によって早めに婦人科に受診するようにしましょう。

関連記事

この記事に含まれるキーワード

ストレス(366) 血圧(26) 更年期(40) 動悸(49) 方法(60) めまい(93) 高血圧(135) ホットフラッシュ(19) 下げる(4) 乱高下(1)