記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
私たちの全身に、絶え間なく豊富な栄養と酸素を含んだ血液を届けてくれる心臓。
停止すると死亡する大切な臓器ですが、無意識に動いているため、その動きの原理や機能が低下したときに現れる症状を理解している人は少ないでしょう。
今回は心臓の血液の流れと、流れが悪くなった場合のリスクについて解説します。
心臓は生命維持のため24時間絶え間なく収縮し、心臓自身をはじめ、全身の血管でつながる臓器・細胞に血液を送り、また回収しています。
心臓とつながる血管のうち、非常に重要な血管の1つが冠動脈(かんどうみゃく)です。冠動脈は、心臓の表面に張り付くようなかたちで配置されている動脈の一つで、心臓から出た大動脈から一番最初に血液を受け取り、心臓に送る血管です。
大動脈からのびた冠動脈はまず左右に分かれ、1本は前側から心臓の左下部にある左心室前前面・側面の壁と、心臓上部に位置して心室を左右に分ける心室中隔につながっています。もう1本は、心臓上下に分かれている心房右心室の間を通って心臓の裏側にまわり、左心室後面・側面の壁に血液を届けています。
冠動脈には左冠動脈、右冠動脈があります。左冠動脈は、さらに分かれて左心室に集まる血液のうち2/3を届ける重要な役割を担っています。2本の冠動脈により、心臓の前面・側面・後面のすみずみまで血液が行きわたる仕組みになっているのです。
次に、心臓から全身の各部位へ血液が送られ、また戻ってくる血液循環の仕組み・流れについて説明します。
心臓のポンプ機能によって心臓の外に押し出された血液は、心臓に近いところから各臓器・細胞に行きわたり、酸素と栄養を渡し老廃物を受け取って心臓に戻ってきます。たとえば、血液は各臓器で運んできた栄養や酸素を渡すとともに、以下のような栄養素や老廃物を受け取ります。
このように、各場所で栄養や老廃物の受け渡しを行い、いろいろなものを溶かしながら動脈・毛細血管を通った血液は最終的に静脈に集まり、心臓へと戻っていきます。
血管の壁が硬くなる動脈硬化や、不純物や脂肪などによる血管の狭まりや詰まりなどで血流が悪くなると、以下のような心臓病を発するリスクが高くなります。
心臓のポンプ機能と全身の血流に異常が起こると、上記のような病気になり、命にかかわる重大な状態になることも多いです。
血管の詰まりや狭窄、硬化などによる血液の流れの悪化や心臓の機能低下は、血液の流れを良くする食品を積極的に摂ることである程度予防できます。以下に、血液の流れを良くする食べ物と効果的な栄養成分を紹介します。
心臓の大動脈から送りだされた血液は、心臓の前面と後面を覆うように張り巡らされた冠動脈を始め、全身の動脈を通って各臓器・部位に届けられます。血液は行く先々で溶かしていた栄養成分や酸素を渡し、また別の栄養や老廃物を受け取りながら全身を巡り、最終的には静脈からまた心臓に戻ってきます。このため、心臓のポンプ機能が低下して血流が悪くなると、心臓をはじめ冷えや各臓器の不調など全身にさまざまな障害をきたしてしまうのです。
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