胸が苦しくなるのは心臓の病気?ほかの病気の可能性もあるの?

2019/1/16

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

胸には心臓をはじめ、肺や食道など、さまざまな役割の臓器が配置されています。
突然胸が締め付けられるように感じたり、なんだか息苦しく感じたりするときには、どんな病気の可能性があるのでしょうか。
今回は胸が苦しくなったときに考えられる病気について、解説していきます。

胸が苦しいときに考えられる心臓の病気は?

胸の苦しさを生じさせる、心臓や心臓周辺の病気としては、以下が考えられます。

  • 心臓の筋肉を動かすための冠動脈が狭くなる「狭心症」や「動脈硬化」
  • 心臓の筋肉に血を送るための血管が詰まり、心筋の一部が壊死する心筋梗塞
  • 心臓から全身に血液を送るための大動脈の層が裂けてしまう大動脈解離
  • 脈が突然速く、または遅くなるなどして不規則になる不整脈
  • 何らかの理由で、心臓のポンプ機能が低下してしまう心不全

心臓の病気の可能性がある苦しさって、どんなふうにあらわれる?

胸の苦しさの原因が、心臓とその周辺の大きな血管にある場合には、以下のような「特徴的な胸の苦しさ」が現れます。

  • 昼間、安静にしていると比較的ラクだが、徒歩や階段の上り下りでは胸が苦しくなる
  • どの方向を向いても、まっすぐ布団に水平の姿勢で寝るのが苦しく寝付けない
  • 夜中や朝方、眠っているときに急に息苦しくなって起きてしまうことがある
  • 胸の苦しさ、息苦しさとあわせて、胸や肩・腕・首・顎・歯などに痛みを感じる

このような症状が出た場合は、心臓に何らかの異常が起きて病気になっている可能性があります。
心臓や心臓周りの大きな血管を中心に、体に血液を循環させる機能・臓器を専門とする「循環器科」のある病院を、すぐに受診してください。

胸のあたりの苦しさは、心臓の病気だけじゃないって本当?

心臓以外の臓器が原因で、胸のあたりが苦しくなるケースもあります。
心臓には何の異常もなくても、肺や気道、食道など胸のあたりにある臓器の異常のほか、精神的な要因から「胸が苦しい」と感じるケースがあるのです。

気道・肺・食道・心因性の胸の苦しさを引き起こす病気や症状の名前としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 細菌やウイルスが気道に入り込むことによる「肺炎」や「気管支炎」
  • 気道が慢性的に炎症状態になり、発作と息苦しさを伴う「気管支喘息」
  • 何らかの理由で肺に穴が開き、空気が漏れやすくなる「気胸」
  • 胃酸が食道の方まで逆流し、息苦しさや喉の痛みを感じる「逆流性食道炎」
  • 死ぬと思うほど、強い恐怖や息苦しさ・呼吸困難の発作を伴う「パニック障害」
  • 心臓には何も問題がないが、心臓病への不安から胸の痛みや苦しさが起こる「心臓神経症」

「胸の苦しさ」という症状のみから、一般の方がどの臓器にどんな異常・病気が起きているのかを判断して適切な診療科目の病院を受診することは、とても難しいです。
胸の苦しさが続いて心配なときは、まずは内科または循環器内科のある医院・クリニックなどを受診して、医師の判断をあおぐのが良いでしょう。

おわりに:胸が苦しくなるときは心臓・気道・肺・食道などに異常があるかも

胸の苦しさは、胸にある心臓・気道・食道・肺などの臓器の異常や病気のほか、精神的な要因からも起こり得る症状です。
もし心臓の病気によるものだった場合は、軽い運動時や入眠時、睡眠中の夜間・明け方など、特徴的なタイミングで発生して痛みを伴うことが多い傾向があります。

しかし、正確な医療知識のない人が胸の苦しさだけで異常が起きている臓器や原因を特定するのは困難なので、症状が続いて心配なときは内科や循環器科の病院を受診しましょう。

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