記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/6/4 記事改定日: 2018/8/28
記事改定回数:1回
記事監修医師
前田 裕斗 先生
代表的な妊娠初期症状に頭痛があります。妊娠していないのであれば頭痛薬で一時的な対処ができますが、妊娠中はどのように対処すればいいのでしょうか。頭痛が起こる原因も含めて対処法を詳しく解説していきます。
頭痛は、腰痛やつわり、腹痛などと並び、妊娠初期に起こりやすい症状の1つです。
妊娠していなければ市販の頭痛薬などを飲んで対処する人も多いでしょうが、妊娠初期の頭痛薬の服用は薬の種類によっては赤ちゃんに害をもたらす可能性があります。
妊娠0~14週にあたる妊娠初期は、赤ちゃんの身体が形成される大切な時期です。
この時期に赤ちゃんに害のある薬を服用してしまうと、赤ちゃんの身体や臓器の形成に支障をきたし、奇形児が産まれる一因になります。
このため、妊娠中の頭痛薬の服用は、極力控えた方が良いでしょう。
ただ、強い痛みによる母体へのストレスも、赤ちゃんに良くありません。
どうしても痛みの軽減が必要なら、婦人科の病院に行って相談するのが良いでしょう。
妊娠初期に起こる頭痛には、大きく緊張型頭痛と片頭痛型の2種類があります。
それぞれの特徴や、妊娠初期に痛みが出たときの対処法を以下にご紹介しますので、あなたの頭痛の種類にあわせて参考にしてください。
締め付けられるような後頭部の痛みと一緒に、首筋や肩に痛みやコリなどの症状を感じる場合は、筋肉が緊張して血行が悪くなることによる緊張型頭痛の可能性が高いです。
この場合は、お風呂に入ってリラックスする、首筋を温める、首や上半身をひねって軽いストレッチをするなどして、血行を良くすると改善されます。
こめかみや目の周りのズキズキした痛みと一緒に、吐き気などの症状があるときは、血管の拡張により血液量が増えることによる片頭痛の可能性が高いです。
この場合は安静にし、濡れタオルなどでこめかみの静脈を冷やして血管を収縮させ、血液量を減らすことで改善することができます。
一般的には、妊娠初期の頭痛は妊娠4~5週目以降から始まり、ホルモンの状態が安定する妊娠12~15週あたりには治まってくるケースが多いといわれています。
しかし、血流の悪化が原因の緊張型頭痛の場合は、妊娠の中期~後期の安定期に入っても改善されず、おなかが大きくなることで悪化する人もいます。
妊娠による頭痛は、始まる時期から症状の度合い、軽減される時期まで個人差が大きいですので、症状が出た時点で婦人科の医師に報告・相談するのが良いでしょう。
妊娠初期の症状として頭痛が起きる原因は、端的に言えば妊娠によって女性のホルモンバランス・身体・生活習慣が大きく変化するためです。
以下の妊娠による3つの変化によって頭痛が引き起こされるといわれているので、覚えておきましょう。
妊娠の成立により、妊娠の継続に必要な胎盤を作るために、女性の体内ではプロゲステロンとエストロゲンというホルモンの分泌が活発になります。
ホルモンの働きにより、身体も妊娠に適した状態に変化していきますが、この変化についていけず、体調を崩して発熱・倦怠感・頭痛などの症状が出ることもあります。
前述したホルモンバランスによる身体の変化に加え、妊娠したことによって今までと違った姿勢を取るようになり、身体に負担がかかることで頭痛が出ることもあります。
無意識のうちに赤ちゃんを守るような姿勢を取ることで、首や肩に負担がかかって血流が悪くなると、緊張型頭痛の原因となります。
妊娠により、つわりや生活習慣の変化から妊娠前のように身体を動かせなくなり、全身の血流が悪くなった結果、頭痛が発生するケースもあります。
先に紹介した通り、妊娠初期に出る頭痛症状には緊張型頭痛と「片頭痛」の2つがあります。
ここでは、それぞれの頭痛症状についてもう少し詳しく確認していきましょう。
上記の頭痛に加え、めまいや身体のだるさを感じる
上記の頭痛に加え、吐き気や目がチカチカするような症状がある
生理だと思っていた出血の後に頭痛が起きたら、それは妊娠のサインかも知れません。
妊娠すると生理は停止しますが、稀に着床時に出血が生じることがあります。このような出血は、ちょうど生理の予定日の頃に生じる出血である為、生理と勘違いされることも少なくありません。
また、妊娠初期のサインとして多くの人が経験するのは「頭痛」です。これは女性ホルモンの変化によるもので、特に血管拡張作用のあるプロゲステロンの分泌量が増加することで頭痛が引き起こされていると考えられています。
このように、生理のような出血があった場合でも、妊娠初期のサインが現れる場合には妊娠検査薬を利用してチェックしてみるとよいでしょう。
また、ひどい頭痛が続く場合は他の病気が隠されている場合もあるので、我慢せずに早めに病院を受診するようにしましょう。
市販の頭痛薬には赤ちゃんの身体の成長に害を及ぼす成分が含まれている可能性があるため、妊娠初期の頭痛では薬は飲まない方が良いとされます。通常、妊娠初期の頭痛は妊娠15週目くらいには解消されることが多いですが、個人差もあります。痛みが取れず、頭痛が大きなストレスとなるようなら、婦人科の医師に相談してみてください。
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