記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/9/16
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
他人の口臭も気になりますが、自分の口が臭っているかどうか、不安に思った経験がある人は多いはずです。それでは、どのような原因で口臭が起こるのでしょうか? 改善策とあわせて、以下、詳しく探っていきましょう。
口臭とは、本人あるいは周囲の人が不快に感じる呼気のことをいいます。自ら口臭があると自覚している人は、なんと、人口の80%を超えるといわれており、このデータからも、どれだけ身近なトラブルかということがおわかりになるかと思います。
その原因のほとんどは、生理的なものや舌に溜まった食べかすや粘膜など(舌苔)の異常、そして歯周病、口内の傷による細菌の繁殖によるものです。日本人は、20代でもおよそ70%の人が歯周病に罹患しているというデータがあり、「若いから、歯周病は関係ないだろう」などと甘く考えてはいけません。歯周病が進行すると、歯周病菌によって生み出される揮発性硫黄化合物による口臭だけでなく、歯茎に溜まった膿からも臭いを発するようになってしまいます。
また、全体の1割ほどが、胃腸などの内科系の疾患によってもたらされるとされています。このケースでは、ピロリ菌感染症、逆流性食道炎、十二指腸腫瘍、大腸がん、潰瘍性大腸炎などが口臭の原因となる疾患として、よく知られています。ただし、このような疾患ではないものの、未消化の食べ物が胃に長く停滞することで異常発酵を起こし、悪臭ガスを生み出すことがあります。したがって、口の中に問題がないにもかかわらず口臭が気になる場合は、胃腸の不調を疑ってみてください。
もちろん、誰にでも、ある程度は生理的な口臭があります。この場合の臭いは主に唾液の分泌などに影響を受けるため、起床時やしばらく食事をしていないときに強くなる傾向がみられます。
口臭の悩みを持つ人のうち、「口臭以外で何らかの胃腸症状がある人」は50.3%、また「口臭の原因として胃腸の不調を関連づけている人」が47.6%というデータがあります。つまり、それだけの多くの人が、口臭と胃腸の不調に関連性を見出しているということでしょう。
先述した通り、ピロリ菌感染症や逆流性食道炎という診断がつかないまでも、未消化の食べ物が胃に長く停滞することによる口臭に悩む人は多いものです。
実は、このような胃腸由来の口臭解消を目的とした胃薬が、さまざまな製薬会社から市販薬として販売されています。心当たりのある方は、このような薬を試してみるのも良いかもしれません。ただし、気づかぬ病気が隠れている可能性もありますので、これらの市販薬を試しても口臭が改善されないということであれば、すみやかに医療機関に相談をするようにしましょう。
それでは、口臭を予防したり改善するために、私たちはどのようなことを日常的に心がけていけばよいのでしょうか。胃の調子を整えることはもちろん、以下の項目をチェックして、ぜひ習慣にしてみてください。
口臭は、口の中だけの問題でないということが、おわかりいただけたことと思います。オーラルケアや食生活の見直し、舌みがきなどの習慣をしっかり身につけ、万が一、口の中に問題がないにもかかわらず口臭がする場合は、胃腸の不調を疑ってみてくださいね。
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