冬に運動するメリットにはどんなことがある?注意すべきポイントは?

2020/1/25

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

寒い冬は体が冷えて暖かい部屋にこもりがちになりますが、ずっと家の中でじっとしていては運動不足や肥満につながることも。この記事では、冬と基礎代謝の関係、冬の運動で気をつけたいポイントなどを紹介します。

冬に運動するメリットは?

生命を維持するための必要最低限のエネルギーを基礎代謝と呼びます。基礎代謝は安静時に代謝されるエネルギー量のことで、1日に消費される総エネルギー量のうち、約60%が基礎代謝によるものです。骨格筋量が多い人や生活活動強度が高い人はエネルギー消費量が大きくなるので、基礎代謝が高いと考えられています。

基礎代謝は性別や年齢、普段の運動習慣によって異なりますが、一般的に夏に低くなり冬に高くなります。そのため、冬に骨格筋量を増やし日常生活での運動強度を高くすると、基礎代謝が上がりエネルギーを消費しやすい体づくりにつながります。

冬に起こる体や生活の変化

  • 基礎代謝が上がる
  • 寒さによって手足など末梢の血管が収縮する
  • 血流が低下しやすくなる
  • 外に出る機会が減り運動不足や肥満になりやすい

冬は体と生活習慣に変化が出やすい季節です。基礎代謝が上がるだけでなく、上記のような影響を受けます。

特に血管の収縮と血流低下は、血行不良を招きます。さらに運動不足が加わると、血流は滞りがちになります。血行不良は筋肉で消費されるエネルギーを少なくします。このようにして基礎代謝が低下すると、肥満や体調不良を引きおこすことがあります。冬は基礎代謝が上がる傾向のある季節ですので、寒さや血行不良に注意して過ごし体の調子を整えましょう。

冬の運動で注意すべきポイントは?

冬にはぜひ運動習慣を取り入れたいものですが、気温が低く日差しの少ないこの季節は寒さを感じやすくなります。冬に運動を行うときは、ほかの季節とは異なる点に気をつけてください。

筋肉の冷えによるケガ
気温が低いときは、筋肉が冷えて血行が悪くなります。筋肉の柔軟性が低下し、筋肉や関節に負担がかかります。たとえば肉離れや関節のケガなどを引き起こしやすくなります。
血圧が上昇し、心臓に負担がかかる
寒いときは交感神経が緊張して血管が収縮し、血圧が上昇しがちです。すると心臓にも負担がかかり、狭心症や心筋梗塞などを引き起こすリスクが上がります。高血圧の人や久しぶりに運動をする人、急に寒さが厳しくなったときなどは特に注意します。
過去のケガ、古傷の痛み
冷えを感じるときは過去にケガをした部分「古傷」が痛む場合があります。冷えによる血行不良、気圧の変化からくる神経への影響などの要因が考えられます。

安全に運動に取り組むには?

寒い季節に運動をするときは、冷えへの対策と血行をよくすることが重要です。

ウォーミングアップは念入りに!
運動前にはウォーミングアップを行い筋肉を温めましょう。軽めのジョギングや準備体操、ウォーキングなどで筋肉の温度を上げてください。体を動かして温かくなったつもりでも、筋温はさほど上がっていない場合があります。
ウォーミングアップの目安は、体が汗ばむまでを目指しましょう。ウォーミングアップを怠ると、ケガのリスクが上昇します。体を動かすと血流が上がるため、ケガのリスクを抑えられます。
屋内外の寒暖差に注意
暖かい室内から屋外へ移動したときの寒暖差は、血圧の上昇を招きます。外で運動するときは、室内で軽めのウォーミングアップをして体を温めてから外出するのがおすすめです。
しっかりと水分補給をする
夏の運動では大量の汗をかき体から水分が失われていることを実感しますが、冬も水分補給は大切です。運動前、運動中、運動後は水分を意識して摂取してください。水は一気に飲むのではなく、少量をこまめに摂りましょう。なぜなら水分を一度にたくさん飲んでも、体はすぐに吸収できないからです。
高血圧の人は血圧を測定してから運動
高血圧の人は、運動前に血圧を測定しましょう。血圧が高めの日は運動を休む、高い運動強度のトレーニングは避ける、暖かい室内で運動するなどの無理のないようにします。

冬の運動も汗対策が大切!

冬は空気が乾燥しているため、思っているより体から水分が失われています。夏と比べて汗をかきにくいため、水分が失われていることに気がつきにくくなるので水分補給を忘れがちです。

しかし水分補給が十分でないと、疲れを感じやすく不調を招きます。特に高齢者や高血圧の人は脱水状態を引き起こしやすいので、こまめな水分補給を意識してください。

汗をかいて湿った服は体熱を奪い、冷えの原因となります。汗をふき取ったり、吸汗速乾性の高い素材を用いた服を着て運動することをおすすめします。インナー、帽子、手袋、靴下、ウィンドブレーカーなど運動中のウェアは冷えにくいものを選びましょう。

運動開始直後は寒さを感じますが、運動していると体が温まってきます。体温調節をしやすいように薄い素材のウェアを重ね着すると便利です。

おわりに:体の冷えと血行不良を予防して冬の運動を楽しみましょう

冬は基礎代謝が上がり、エネルギー消費量が高まる季節です。運動の効果を得やすい季節といえますが、寒さによる体の冷えや血行不良の対策をしないまま運動するとケガを招いてしまいます。しっかりと予防をして運動を楽しみましょう。

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